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[MOM2730]桐光学園GK北村公平(1年)_1年生GKがプリンス関東残留の可能性広げるビッグセーブ

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桐光学園高に勝ち点1をもたらした1年生GK北村公平

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.9 高円宮杯プリンスリーグ関東第18節 三菱養和SCユース 1-1 桐光学園高 三菱養和会 巣鴨スポーツセンターG]

 本人は引き分けに終わったことについて全く満足していなかった。だが、勝ち点1差の10位・山梨学院高(山梨)が引き分け、順位を逆転される可能性があったことを考えると、9位・桐光学園高にとってはプリンスリーグ関東残留への可能性を広げる大きな勝ち点1獲得。それをもたらしたのは1年生GK北村公平だった。

 1-1で迎えた後半40分、桐光学園は寄せが甘くなったところを突かれて左サイドから中央へボールを動かされると、三菱養和SCユースMF冨久田和真(3年)に強烈な右足シュートを浴びてしまう。だが、右隅を捉えたこのシュートをGK北村が横っ飛びでファインセーブ。さらにその直後、右CKの流れから、左SB廣川虎太郎(3年)にゴール至近距離から打たれたシュートを再びビッグセーブで弾き出した。

 北村は後半開始直後にCKから失点し、勝ち切れなかったことを悔しがる。それでも2つのビッグセーブのシーンについては「ああいうギリギリの場面を止めてこそ良いGKと言われると思うので、きょうは自分の気持ちの方が一つ上だったのかなと思います」と微笑んだ。

 前半から終始安定していた印象だ。190cmと180cmの長身2トップ擁する三菱養和はゴール前の浮き球から枠へヘディングシュートも飛ばしてきていた。だが、登録172cmの北村は飛び出すところとシュートを処理するところを落ち着いて判断し、対応。CKからの失点の責任はゼロではないだろうが、それでも前半から枠内に飛んできていたシュートを好反応でセーブし続けてチームに貢献した。

 夏のインターハイ予選初戦から抜擢され、名門のゴールを守る。悔しい失点やミスをした試合もあったが、その度に乗り越えてきた。鈴木勝大監督はマジメな性格で着実に成長してきている部分を評価。そして、「前節も抜群に良かった」と勝ち点、勝利を引き寄せる活躍が続けていることを明かしていた。

 北村は「自分、まだ1年なんですけれども使ってもらっているのは責任を感じますし、自分がやらないといけないとは凄く感じています。インターハイを越えて、このプリンス再開した後とか自分のプレーを出そうと集中して、伸び伸びできるようになって、今のプレーができるようになっていると思います」と分析する。

 インターハイは日本一まであとわずかのところまで迫りながらも、決勝戦の後半アディショナルタイムの失点から逆転負け。その悔しさも、12月31日に初戦を戦う選手権へのエネルギーになっている。

「最後の最後、あそこで粘れなかった。気持ちの部分だったり、技術の部分だったり、そういうところは次選手権でリベンジするしかないので、『選手権でリベンジする』という気持ちです。(選手権は)自分がゼロで抑えれば、自ずとチームが負けることはないので、まず自分がゼロに抑えることに集中して、その中でチームを勝たせていければいいと思います」と意気込んだ。

 1年生GKは選手権までに少しでも成長すること。そして一戦一戦勝ち上がり、夏にできなかった「あと1勝」を今度こそ果たす。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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