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無名の存在から高校選抜の柱へ。MF天笠は先にプロ入りしたライバルを「必ず追い越したい」

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青森山田高日本一の立て役者、MF天笠泰輝は日本高校選抜の柱へ

[2.14 練習試合 日本高校選抜 0-2 専修大]

 評価と自覚が高まり、日本高校選抜を代表する存在に“本気”で挑戦している。MF天笠泰輝(3年)は、青森山田高(青森)の攻守の柱として、同校の選手権制覇に貢献。大会MVPに選出するメディアもあるなど、各方面から高い評価を勝ち取った。

 18年度の青森山田の“顔“と言える存在だったのは、2年時からの主力で10番を背負ったU-18日本代表MF檀崎竜孔(3年→札幌)や、U-19日本代表のCB三國ケネディエブス(3年→福岡)だった。ただし、選手権で天笠が見せたボール奪取やゲームをコントロールする動きは時に彼らの存在をかすめるほど。日本高校選抜の朝岡隆蔵監督(市立船橋高)も「アイツがいるから山田は強い。山田の肝。パーソナリティーもしっかりしている良い選手」と評し、天笠に厚い信頼を寄せている。

 この日はインサイドハーフとして25分×4本の練習試合に先発。2本目には絶妙なスルーパスで決定機を演出するシーンもあった。左足ふくらはぎの打撲によって2本目14分に無念の交代。他の選手同様、日本高校選抜欧州遠征メンバー入りへの競争を勝ち抜かなければならないが、その信頼は簡単には揺るぎそうにない。“ようやく追いついてきた”評価。それに対し、彼も責任感を持って、貪欲に結果を求めている。

「選手権で『やっと』自分の名前を知ったという人が多いと思うんですけれども、まだまだ知られただけ。高校選抜でしっかり良いプレーをして、名前を知っただけでなくて自分のプレーの良さなどを他の人に知ってもらえれば良い。逆にこの(選手権の)活躍があるからこそ、変なプレーはできない。ここで変なプレーをしたらあのプレーはまぐれだったと言われるし、それは自分自身嫌なので、これから継続して結果を残さないといけない」
 
 高校選抜でライバルと競演する可能性もある。前橋FC(群馬)でチームメートだったMF秋山裕紀(前橋育英高3年→新潟)も日本高校選抜入り。秋山はチーム事情によって今回の埼玉合宿を辞退したが、天笠は中学時代にダブルボランチを組んでいたライバルと高校選抜でともにプレーすることをとても楽しみにしている。

 目標はプロ入り、そして先にプロ入りしたライバルを超える選手になること。「中学校3年間ボランチ組んでいて、本当に『(秋山)裕紀だけには負けたくない』と思って3年間やってきた。アイツがプロにいるからこそ、もっともっとやるという気持ちになったので、本当に感謝しているし、必ず追い越したいという気持ちです」。プロ入りへの意欲を堂々と口にするボランチは、高校選抜の活動を通してその目標に近づくつもりだ。

「自分の持ち味の球際だったりをもっと見せていかないと。まだ(監督の)朝岡さんが求めているサッカーは全然できていない」と語るように、本人は高校選抜でのプレーに満足していない。まずはチームからより信頼される存在になること。そして、今後の日本高校選抜の活動、欧州遠征でライバル以上の輝きを放つ。

(取材・文 吉田太郎)
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