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[MOM3167]米子東MF柏木晴貴(3年)_「思い切り打つだけだった」。代替大会の優勝ゴール!

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前半33分、米子東高はMF柏木晴貴が左足で決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.20 鳥取県高校総体(代替大会)西部地区決勝 米子東高 1-0 境高 どらドラパーク米子球技場]

 夏のインターハイ(全国高校総体)が中止となる中、鳥取県は独自に県高校総体の代替大会を開催した。東部、中部、西部の3地区に分かれてのトーナメント戦で、西部地区大会を制したのは米子東高。20日に行われた決勝で境高を1-0で下し、頂点に立った。

 決勝ゴールが生まれたのは35分ハーフの前半終了間際、33分だった。米子東は右サイドからFW益田真緒(3年)が中央にパスを送ると、MF遠藤海七大(3年)がうまくフリックし、拾ったMF柏木晴貴(3年)がスピードに乗ってエリア内に侵入。「思い切り打つだけだった」と柏木が振り返る左足シュートがネットを揺らした。

 米子東は準決勝で、2009年11月から新人戦、インターハイ予選、選手権予選の県内3大会で負け知らずだった米子北高を3-2で撃破。だが満足することなく、米子北同様に選手権予選でライバルとなるはずの境に、しっかり勝とうとチーム内で声を掛け合ったという。準決勝で途中出場だった柏木は、この日は先発出場。立ち上がりからアグレッシブなプレーを見せ、貴重な働きを見せた。

 後半10分過ぎに足がつって動けなくなり、いったんピッチ外に出て治療を受けた。山根伸監督からは「もう一度つったら交代だぞ」と言われており、柏木も「結構きつかった」と苦笑いで振り返るが、何とか最後まで走り切り、ピッチ上で優勝の瞬間を迎えた。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響でインターハイが中止となり、代替大会の開催も不透明な状況が続いた。それでも「全員で声を掛け合って、やる気を出していました。練習中もみんなで盛り上げてきた」と柏木が語る奮闘が、昨年11月の新人戦優勝の米子北、同準優勝の境と、難敵2校を連破しての西部地区優勝につながった。

 県内有数の進学校ゆえに、この大会で部活動を引退する3年生もいるが、柏木はプレーを続ける。「攻撃面で精度を上げて、もっとゴールに絡めるようにしたい」。優勝の自信を胸にさらなる成長を遂げ、今回の快進撃を選手権予選でも再現して、1998年度大会以来、22年ぶり9回目の選手権切符を勝ち取ってみせる。

(取材・文 石倉利英)
●【特設】高校総体2020

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