beacon

「左」の一振りは魅力十分。打倒・高川に挑戦する西京の10番FW菊本翔太

このエントリーをはてなブックマークに追加

可能性秘めたレフティーストライカー、西京高の10番FW菊本翔太

[3.12 中国高校新人大会1回戦 西京高 0-4 広島工大高]

 スコアこそ0-4に終わったが、公立強豪のレフティーエースが光る動きを見せた。西京高の10番FW菊本翔太(2年=レストライザック北浦出身)は「自分が点を決めるという期待もあって、点取らないといけない、前向いたら打とう、と思っていました」という姿勢を表現。ボールを受けると意識して前を向き、破壊力十分の「左」を振り続けていた。

 チームは2か月ぶりという対外試合の硬さもあった前半に2失点。菊本やMF内田和輝主将(2年)ら昨年からの主力を半数残すチームは後半、落ち着いて自分たちの繋ぐサッカーを表現していたが、押し気味に試合を進める中で1点を奪うことができなかった。

 後半18分に菊本がゴール前での回収から素早く前を向いて放った一撃もわずかに枠外。その後ミスもあって突き放されたチームは菊本の強烈ミドルなどで1点を目指したが、0-4で敗れた。

 前線でボールを収め、抜け出す動きも特長のエースは、果敢にゴールを目指し続けたが、精度を欠いて無得点。「自分的にも左足は武器だと思っているし、一発あるというのは武器だと思っているので決め切りたかったですね。威力というか、シュートをどこからでも打てるんですけれども決定力はまだまだ」。チームとしても、個人としても悔しい敗戦となった。

 今冬は県内のライバル・高川学園高が全国3位。菊本は「結構繋ぐこともやっていたし、ライバルで嫌なんですけれども、さすがだなと」感じたという。松井大輔監督も「良いライバルというか、高川さんという目標を選手たちも持っていますので、同じレベルで戦えるように」と語っていたが、チームは今年、全国3位の壁を超えることにチャレンジしていく。

 菊本は「今日の試合みたいに1点取られて崩れたり、まだまだかなというところがあるけれど、一人ひとりの負けず嫌いさや意識の高さはあると思うので、これからもっと伸びていくかなと思う」。チームメートとともに打倒・高川、全国での躍進を本気で目指していく。

 その菊本は、欧州の経験を新シーズンの活躍、勝利に結びつける意気込みだ。「自分、小さい頃から海外でプレーしたいというのがあって。(今春、3週間ほど)スペインへ短期留学するんですけれども、それも経験して西京に良いものを持って帰ってこれたら良い。スペインはパスサッカーとか個の上手さが目立っていると思う。見て学べると思うし、実際体験してみたい」。多くを学び、逞しくなって帰ってくる。

 憧れは同じレフティーストライカーで、スペインでプレーするFWアントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリー)。菊本は「シュートセンスに憧れています」というグリーズマンのようなシュートセンス、決め切る力を身に着けて、将来の可能性を広げる。

(取材・文 吉田太郎)

TOP