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[船橋招待U-18大会]高体連とユースの技巧派対決。新2年生FW白井決勝点で東京Vユースが制す

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後半20分、東京ヴェルディユースFW白井亮丞(左)が決勝点

[3.26 船橋招待U-18大会 東京Vユース 2-1 静岡学園高]

 第27回船橋招待U-18サッカー大会2日目の26日、東京ヴェルディユース(東京)と静岡学園高(静岡)が対戦し、東京Vユースが2-1で逆転勝ちした。

 この日1試合目の東京Vユースは「来週を見据えて」(中後雅喜監督)の戦い。一週間後のプリンスリーグ関東開幕戦へ向けたゲームだったが、序盤はこの日2試合目の静岡学園にボールを保持される時間が増え、前半16分にはU-17日本高校選抜の10番MF高橋隆大(新3年)に右足ミドルを決められてしまう。

 だが、東京Vユースは19分、右サイドのMF新井海斗(新3年)のスルーパスでFW白井亮丞(新2年)が抜け出してシュート。これは驚異的な反応を見せた静岡学園のU-17日本代表GK中村圭佑(新2年)に阻まれたが、こぼれ球を拾った10番FW新鉄兵(新3年)が左足ループでゴールネットを揺らす。

 1-1で前半を終了。東京Vユースの新は「もっと自分たちがボールを持って、主導権を握りたかったですけど、ちょっと難しかったですね」と振り返り、静岡学園の高橋も「今までやってきたチームの中では、ビルドアップがだいぶ上手いチームだった」と相手を認める。

 ともに個人技術の高さをベースに、ボールを保持しながら数的優位を作り出し、ゴールを目指すチーム。東京Vユースは静岡学園の強度高い守備に苦戦し、攻め切る前にボールを失うシーンが増えていたものの、ピッチの中央で異彩を放つU-16日本代表候補MF山本丈偉(新1年)や組み立てに参加する新らが改善する。

 静岡学園は前半が21年U-17日本代表候補CB行徳瑛(新3年)、後半はCB森下蒼大(新3年)が中心となって相手の攻撃に対応。メンバー半数を入れ替えた後半も徐々に押し込む時間を増やし、MF永田拓夢(新3年)のスピードを活用した崩しでゴール前のシーンを作り出した。

 だが、東京Vユースは右SB高須侶歩(新2年)が好カバーで決定機を防ぐなど得点を許さない。逆に20分、左サイドでの連係によって前方のスペースを突いた新が、DFを振り切ってラストパス。これをGKの前で反応した白井がゴールへ押し込んだ。新も「良い形で取れたかなと思います」というゴールで逆転。この1点が決勝点となり、東京Vユースが勝利した。

 東京Vユースの中後監督は逆転勝ちを評価した一方、「やっぱり始めから失点せずに自分たちのリズムでできなかったので、ボールを持たれる時間も長かったので、そこは改善点かなと思います」と指摘。新も「静学に劣っていた部分が多いかなと思います。もっとボールも自分たちが回したかったなと思います」と反省したように、満足はしていなかった。求めているレベルはもっともっと上。日常から貪欲にクオリティ向上を目指し続け、結果に結びつける。

(取材・文 吉田太郎)

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