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湘南工科大附は崩しにトライし続けるも0-1で惜敗。「人間性は最高」のCB三浦翔遼人主将中心に成長と結果求める

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湘南工科大附高CB三浦翔遼人主将が身体を張ってクリア

[5.7 関東高校大会神奈川県予選準決勝 桐光学園高 1-0 湘南工科大附高]

 湘南工科大附高は、今季の神奈川県1部リーグで日大藤沢高や東海大相模高を破って暫定首位。関東大会予選では19年大会に続く本大会出場へあと1勝に迫っていたが、準決勝では「前回のリーグ戦の日藤戦(1-0)に比べれば、後手踏んで自分たちのリズムを作れなかった」(室井雅志監督)。

 前半は攻撃の距離感が悪く、守備でも後手を踏んでしまう展開。敗れたものの、後半は立て直してセカンドボールを拾いながら攻め続け、連続で崩しのパスにチャレンジするなど優勝校・桐光学園高を苦しめた。

 攻撃面では、2年生10番のMF中山陽輝(2年)が積極的にボールを受けてDFを剥がすなど崩しの中心に。室井監督は「ふてぶてしいので面白いです。アイツも攻守にもっと係われる選手にならなればいけないし、もっとなって欲しいと思います」。後半ボールに絡む回数を増やしたMF三觜真生(3年)とMF村岡遊(3年)を含めた中盤中央の3人はチームの生命線。個でマークを外して枠へシュートを打ち込むシーンもあった中山は、より試合を決める活躍も求めていく。

 この日、湘南工大附で最も印象的な動きをしていたのはキャプテンのCB三浦翔遼人(3年=藤沢市立藤が丘中出身)だ。特別身長が高い訳では無いが、空中戦に強いストッパー。室井監督は「最高ですね」と三浦の人間性を絶賛する。

「アイツはまじめだし、チームのことを凄く考えて自らも身体張れるし、怪我なく成長してくれれば、良い活躍できれば上のより高いレベルでやっていける選手かなと思っているので。人間性は最高です」

 チームにアクシデントが起こったり、相手が変化してきたりした際にベンチよりも早く判断してチームを動かすことができるプレーヤー。常に周囲に気を配り、行動することができる“ピッチの監督”だ。

 また、この日はタッチライン際での激しい接触プレーで両校がヒートアップする中、真っ先に駆け寄って間に入り、両校を落ち着かせていたことが印象的だった。そのチームリーダーに対し、指揮官は信頼と期待を寄せている。

「ああいうキャプテンがいる時は楽しいし、チームもどんどん良くなるのでこの悔しさをどうトレーニングに繋げていって、アイツらが一番結果を求めているだろうから、そこに繋げらればと思います」。インターハイ、選手権でともに3位に入った歴史を持つ相模工大附高の伝統を受け継ぐチームは、相手がどのような戦い方をしてきても、対応してボールを大事にしながら攻め勝つことを目指している。三浦を中心により精度を高め、より面白いサッカーを展開すること。そして、より結果を求めてインターハイ、選手権で全国切符を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

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