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佐野日大は前橋育英に延長惜敗も前向きな3試合。終盤の粘り強さ、選手層の厚み加えて決勝で勝つチームへ

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佐野日大高の中軸を担う長身レフティー、MF向井俊貴

[5.30 関東高校大会Bグループ決勝 前橋育英高 4-1(延長)佐野日大高]

 佐野日大高(栃木)はBグループ決勝で惜敗したものの、関東大会で3試合を経験。海老沼秀樹監督は「3試合緊張感持ってできたので、良い財産になった。みんなウチよりも格上のチームだったので我慢する時間が多かったんですけれども、何とか耐えてくれた」と健闘した選手を評価していた。

 関東大会初戦では、年代別日本代表経験者やJクラブ注目選手を擁した日大藤沢高(神奈川)と渡り合い、後半40+3分の184cmDF小竹翔馬(3年)の決勝ヘッドで1-0。東京2位の駒澤大高にもMF江沢匠映主将(3年)の先制ヘッドなど3-1で勝ち切った。

「奪い切ってということを今年はやってみよう」(海老沼監督)という目標を掲げて栃木県予選、関東大会でハイライン、ハイプレスのスタイルにチャレンジ。前橋育英高(群馬)戦では先制された直後にMFヒアゴンフランシス琉生(3年)のゴールで追い付く。

 3連戦の疲労もあり、この日は一歩引いてブロックを作る形を選択したが、中央を締めてボールを奪い切り、ロングボール、クロスも186cmDF緒形一真(2年)、176cmDF青木柾(3年)、186cm高根澤賢(3年)ら5バックが跳ね返すなど好守を続け、延長戦まで持ち込んで見せた。

 チームの中軸であるMF向井俊貴(3年)は「相手の縦パスとかに強くプレッシャーに行くことにしたんですけれども、自分たち的にはまだやれる、守れるという感覚でした」と振り返る。守備については手応えを口にした一方、司令塔役として攻撃面を課題に挙げた。

 向井はMFメスト・エジルに憧れる180cmレフティー。プレースキックやミドルシュートでゴールを目指していたが、「まだまだ自分は収めてから決定的なパスをFWに提供できなかったので、課題だと思います。高橋(篤生)、3年)とボランチを組んでいて、高橋は凄く運動量のある選手なので自分は高橋よりも走れないんですけれども、自分がその他の部分でボールをさばいたり、FWは結構運動量が多いのでそこに良いパスを提供していかないといけない」とよりレベルアップすることを誓っていた。

 佐野日大は、過去5年の選手権予選決勝で4敗。20年の県新人戦で優勝しているものの、インターハイ予選、関東大会予選、そして延長戦で3失点したこの前橋育英戦と決勝戦で敗れることが続いている。

 それだけに、向井は「自分たち、選手権の時もそうだったんですけれども試合の終盤に獲られている。終盤でもっともっと粘り強くするべきだと思っています」と勝ち切るために試合終盤も粘り強く戦えるチームになることを目指す考え。海老沼監督も戦い切るために、選手層の厚みを求めていた。

 この後、6月8日にはインターハイ予選初戦。向井は「全国出場・全国制覇を目標に掲げて、矢板中央を倒して佐野日大という名が全国に知れ渡れば良いと思います」。この日負傷欠場し、予選で復帰する予定の選手が守備陣、前線にもいる。ライバル・矢板中央高など壁は厚いが、3試合の経験を活かし、今回こそ決勝で勝つ。

(取材・文 吉田太郎)
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