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神村学園の1年生は“九州3位”から勝ち上がり、全国準V。次は全国決勝で勝つチーム、選手に

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神村学園高はMIZUNO CHAMPIONSHIP U-16で準優勝

[12.19 MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16決勝 神村学園高 0-4 帝京長岡高 時之栖うさぎ島G]

 同点を目指して前に出た試合終盤に3連続失点を喫して0-4。最後は点差が開いたものの、神村学園高(鹿児島)は“九州3位”から勝ち上がり、堂々の全国準優勝だった。

 神村学園は九州のU-16リーグ1部(球蹴男児リーグ)で3位。だが、プレーオフで2部優勝の佐賀東高(佐賀)、1部2位の大津高(熊本)を突破して全国大会のMIZUNO CHAMPIONSHIP U-16への出場権を獲得した。
 
 その神村学園は全国大会でも予選リーグ突破をかけた京都橘高(京都)との大一番を5-3で勝利。さらに準決勝では関東王者の西武台高(埼玉)を撃破して決勝へ駒を進めた。選手権間近ということもあってU-16日本代表FW名和田我空が不在。また、怪我のU-16日本代表候補CB鈴木悠仁も欠く中での戦いだったが、チャンスを得た選手たちが戦いながら成長を遂げた。

 同じ1年生でも、普段はカテゴリーの異なる選手たち。決勝ではよりチームとしての準備をしてきていた帝京長岡高(新潟)にボールを支配され、押し込まれる展開となった。神村学園は主軸不在も影響し、ビルドアップで苦戦。だが、中央から攻めてくる相手の攻撃をボール奪取が得意のMF松下永遠主将やDF陣が冷静に対応し続ける。また、GK古川竣也の好セーブもあり、得点を許さない。

 そして、今大会得点王に輝いたFW金城蓮央が相手の寄せを苦にすることなくアタック。圧倒するような動きでDFをかわし続け、シュートシーンを作り出した。また、後半にはFW秋澤悠宇、FW大成健人、FW井村知也と特長を持つアタッカーたちを投入。前半に比べて相手ゴール前での攻防を大きく増やしたが、帝京長岡守備陣の好守に阻まれるなど1点が遠かった。

 0-4で敗戦。だが、全国大会出場をかけたプレーオフ、そして全国大会の戦いで選手たちが得た経験値は大きい。鹿児島実高(鹿児島)3年時の選手権決勝で2得点をマークし、同校の初優勝に大きく貢献した経歴を持つ柏野裕一コーチは、「貴重な経験をさせて頂いて。九州3位だったんですけれども、プレーオフからこういうゲームを繰り返しやってくる中でここでもだいぶ良い経験をさせてもらったので、選手たちにとっては糧にしかならない」と頷く。
 
 そして、「タフさみたいなところはついてきたと思います。上もプレミア(リーグ)に上がって、来年求められてくるところではあると思うので。発奮してまた頑張ってもらえれば」と期待。主将の松下も「まずは悔しいという気持ちですけれども、良い経験をできたという気持ちも結構あって、この悔しさをバネにしてこれから頑張っていきたい」と誓った。

 金城らは神村学園中3年時に全国中学校大会優勝。選手たちは個性とチーム力を磨き、次は高校の全国決勝で勝つチーム、選手になる。金城は「次の全国決勝に向けて、今できていない課題をしっかりと改善してもっと成長していきたいです」とコメント。悔しさを忘れず、帝京長岡やライバルたち以上の成長を遂げる。

(取材・文 吉田太郎)

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