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アピールと勝利を目指した日本高校選抜候補が塩貝、木村、山本のゴールで流経大撃破!

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3本目29分、日本高校選抜候補はFW山本颯太(前橋育英高3年、右から2人目)が決勝点

[1.21 練習試合 日本高校選抜候補 3-2 流通経済大 時之栖裾野G]

 21日、日本高校選抜候補が流通経済大と練習試合(30分×3本)を行い、3-2で逆転勝ちした。

 日本高校選抜候補は選考合宿の2日目で初の対外試合。4日間で39選手が平等にプレー時間を得られるように、この試合は33名をピックアップし、各選手が30分間ずつ出場した。

 1本目はGK上林真斗(昌平高3年)、右SB鈴木大翔(尚志高3年)、CB齋藤駿(前橋育英高3年)、CB三橋春希(青森山田高3年)、左SB都築駿太(流通経済大柏高3年)、ダブルボランチが徳永涼(前橋育英高3年)と根津元輝(前橋育英高3年)、右SH諏訪晃大(桐生一高3年)、左SH小池直矢(前橋育英高3年)、2トップは小湊絆(青森山田高3年)と古田和之介(履正社高3年)がコンビを組んだ。

 流経大はU-23日本代表のMF藤井海和(2年=流通経済大柏高)やともにU-20関東大学選抜のCB根本健太(2年=東京学館高)、MF川畑優翔(1年=流通経済大柏高)ら主軸候補が先発出場。12分には左クロスからCB齋藤優太(1年=日本文理高)が先制ヘッドを決めた。日本高校選抜は相手のプレス、ビルドアップの上手さの前になかなか流れをつかむことができない。それでも、献身的に走り続ける小湊と古田の2トップを筆頭に、連動したプレッシング。高い位置で取り切る回数を増やし、ショートカウンターへ持ち込んだ。

 徐々にボールを保持する時間も向上。根津がワンツーからサイドへはたいて都築がシュートを放ったほか、徳永のパスや小池、諏訪の両翼の仕掛けなど各選手の特長も出始める。30+1分には再三鋭い動きを見せていた小湊が右サイドを突破。一気にゴール方向へ前進すると、カバーしたDFのタックルをかわしてラストパスを通す。古田のシュートが枠を外れて0-1で終わったものの、強敵相手に健闘した。

 2本目はGK鈴木健太郎(成立学園高3年)、右SB新谷陸斗(東山高3年)、CB大田知輝(帝京高3年)、CB多久島良紀(青森山田高3年)、左SB山内恭輔(前橋育英高3年)、ダブルボランチが廣井蘭人(帝京長岡高3年)と松橋啓太(東山高3年)、右SH田原瑠衣(大津高3年)、左SH野頼駿介(桐光学園高3年)、2トップに塩貝健人(國學院久我山高3年)と小林俊瑛(大津高3年)が構えた。
 
 2本目にインパクトを残したのが塩貝だ。フィジカル面で競り負けるシーンもあったが、サイドへ流れてからの縦突破で大学生を圧倒。その塩貝のクロスや小林のポストプレー、廣井のスルーパスなどで1点を目指すと14分、廣井のスルーパスで塩貝が抜け出して先制点を叩き出す。

 多久島が「全体で前から行く守備が良かった」と振り返り、小林も「守備の行き方だったりは凄くコミュニケーションを取りながらやっているので、そこは上手く行っているかなと思います」と語ったように、守備の意思統一ができていた高校選抜候補はDFラインも個のところで負けずに無失点。またサイド攻撃からゴール前のシーンを作り出す。終了間際に塩貝の突破から廣井が迎えた決定機は惜しくも決めきれなかったが、30分間を1-0で終えた。

 3本目はGK佐藤瑞起(東山高3年)、右SB山田蒼(岡山学芸館高3年)、CB井上斗嵩(岡山学芸館高3年)、CB碇明日麻(大津高2年)、左SB田辺幸久(大津高2年)、ダブルボランチが木村匡吾(岡山学芸館高3年)と真田蓮司(東山高3年)、右SH吉満迅(尚志高3年)、左SH篠田翼(昌平高3年)、FW山本颯太(前橋育英高3年)、FW西丸道人(神村学園高2年)の11人で試合に臨んだ。

 流経大のMF鈴木奎吾(1年=清水ユース)にファインゴールを決められてリードを奪われた高校選抜候補だが、3本目もアグレッシブな戦いを見せる。各選手が30分という限られた時間の中で前向きな姿勢を持ち続け、球際で競り負けても粘り強い守備。1点差を維持し、田辺の攻め上がりからのクロスや篠田のシュートなどで反撃する。

 そして27分、篠田、西丸とボールを繋ぐと、木村が正確なファーストタッチから右足シュートを左上へ叩き込む。選手権決勝で2発の木村が得点力を発揮して同点。さらにカウンターから篠田が独走するなど逆転を目指した高校選抜候補は29分、山本が「ボランチからロングボールが来て、それを胸トラで落として、(篠田)翼からもう一回来たので流し込むだけでした」。正確な右足コントロールショットをゴール右隅に沈めて決勝点。前日の仲村浩二監督(尚志高)の「自分を出し切ってくれ」「大学生に勝ちに行くというところを見せて欲しい」という言葉通りに個々のアピールと勝利を目指した高校選抜候補が白星を勝ち取った。

(取材・文 吉田太郎)
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