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[MOM4202]浜名FW加藤千寛(2年)_復帰の俊足アタッカーが“恩返しのゴール”

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浜名高の10番FW加藤千寛(2年=ジュビロSS浜松出身)は交代出場で先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.28 静岡県新人大会準決勝 浜名高 2-1 清水桜が丘高 愛鷹]

 チームメートに“恩返しのゴール”だ。0-0の後半27分、浜名高はこぼれ球を拾った10番FW加藤千寛(2年=ジュビロSS浜松出身)が左中間から仕掛けてシュートをゴール右へ流し込む。体調不良の影響で初戦以来の出場。この日も前半途中からの出場だったチームリーダーが、今大会初得点で流れを引き寄せた。

 練習通りのゴール。「セカンドボールは毎回狙えと言われているので、飛び込んで行ったらちょうど自分の前に落ちてきました。昨日の練習でちょっとシュート練習していて、そこと全く同じ形で、その練習でもほとんど決められたのでその練習の良いイメージがありました。GKが左側に寄っていたので、そこまでしっかり見えていて流し込むことができた」。納得の一撃を決めた10番はベンチ方向へ歓喜のダッシュ。ピッチへ飛び出したチームメートにもみくちゃにされていた。

 加藤は内藤康貴監督が「あの子は結構シュートが上手い。スピードに乗った迫力のあるドリブルとか、僕は上でもやれるんじゃないかと思っている。しっかり体ができてきてたら楽しみです」と期待する存在だ。

 加藤はトレーニングで実施しているバウンディングや筋力強化の影響でスピードが向上。これまでは足元でボールを受けるプレースタイルだったが、年末の練習試合でドリブル、迫力のある動きに手応えを感じてその武器を活かす形へ変化した。現在は「前向いて、相手との距離間があってスピードがあったら止められない」と高速ドリブルに自信を持っている。

 ポテンシャルを期待されていたものの、これまでケガが多く、活躍することができなかった。今大会も1試合のみの出場で離脱。それでも、チームが準決勝まで勝ち上がったことで活躍するチャンスが訪れた。

「チームメートがベスト4まで来てくれて、自分もチャンスが来て、そこで活躍したい、絶対に恩返ししたい、決勝まで行って決勝も勝って優勝したい、という気持ちが強くなった」。一週間前、準々決勝勝利を確認してすぐに準備を開始。火曜日に復帰し、この日は“恩返しのゴール”でチームを決勝へ導いた。

 インターハイ優勝2回、選手権準優勝1回の歴史を持つ浜名にとって19年ぶりとなる新人戦決勝。復活Vをかけた一戦へ向けて、加藤は「(スタートで)行けたら全力で行きます」。再びゴールを決め、浜名を勝たせる。

(取材・文 吉田太郎)

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