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強豪相手にやれること、白星を自信に。柏U-18が大津に6発で撃ち勝つ

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柏レイソルU-18が快勝。MF伊達歩由登(2番)は中盤の守備で貢献度大の動き

[3.16 サニックス杯予選リーグ 柏U-18 6-2 大津高 グローバルアリーナ]

 16日、ともにプレミアリーグに所属する柏レイソルU-18(千葉)と大津高(熊本)がサニックス杯国際ユースサッカー大会2023(福岡)予選リーグB第2節で激突。柏U-18が6-2で快勝した。

 前半は「全員でハードワークして、献身性とか、協調性とか、そういうところを大事にしながら、戦術的にグループでというところを強調している」(酒井直樹監督)という柏U-18が大津を圧倒するような戦い。前半5分、「自分は攻撃よりも守備面の方が評価されていると思うので、守備の球際だったり、チームのために走るということを大事にしていきたい」というMF伊達歩由登(2年)が右サイドからアーリークロスを入れると、FW戸田晶斗(1年)が右足で先制点を決めた。

 柏U-18はサイドチェンジから斜めのラストパスで大津の守りを攻略。18分、31分と同じ形から右のWB藤谷温大(1年)が斜めのラストパスを通し、左WB黒沢偲道(1年)、FW吉原楓人(1年)がゴールを破った。“フリーマン”の戸田が1タッチの正確な落とし、キレのあるドリブルなど抜群の存在感。リズムよく攻め、また伊達が「守備は普段の練習から球際とか強度とかチーム全体で共有してきたので、チーム全体でガツガツ行けたので良かった」と振り返ったように、守備面でも意識してきたことを表現する。

 大津も前半26分に左からFW山下景司(1年)、FW稲田翼(2年)が繋ぎ、10番MF碇明日麻主将(2年)がゴールを決めたが、前半は勇気を持ってプレッシングに行き切れず、相手にボールを保持される展開。サイドから崩される形で失点を増やし、攻撃面でも苦しいロングボールが増えてしまうなど簡単にロストしてしまっていた。

 柏U-18は38分にも黒沢の折り返しを吉原が決めて4-1。だが、後半は大津が勢いのある攻守で流れを一変させる。縦パスに強く行くなど前から圧力を掛けてボールを奪い切り、速攻。ドリブルの鋭いMF古川大地(2年)や献身的な動きを続けるFW稲田翼(2年)らがゴールへ迫る。

 そして20分、抜け出した山下が一度GKに止められながらもこぼれ球を押し込んで2点差。さらに碇の絶妙なクロスから稲田がチャンスを迎えるなど相手を押し込んだ。だが、凌いだ柏が決定力で差を生み出す。38分、カウンターからドリブルで抜け出したFW大木海世(2年)が左足で決めると、40+1分にもMF青木空斗(2年)のドリブルシュートのこぼれをMF福島大雅(1年)がゴール。交代出場組の活躍で大津を振り切った。
 
 柏は新主将のDF別府慧(2年)や大型FW近野伸大(2年)が離脱中。「多少サッカーが荒削りになったとしても、全国区のチームとやりながら、やれるという自信をつけるためにやっています。底上げはできている」(酒井監督)という大会で、選手たちは課題と手応えも感じながら戦っている。

 伊達は昨年までOBの兄・DF伊達由太嘉(現明治大)と同じSBで、今年はボランチに挑戦している。「お兄ちゃんの存在はデカいです。お兄ちゃんは結構ストイックで、自分はそういうストイックさが無かったんですけれども、今年から3年生という一番上の立場なのでお兄ちゃんを目指しながらやっている感じです。自分は背中で引っ張るタイプなのでプレーで引っ張っていきたい」。伊達やゲーム主将のDF池端翔夢(2年)ら最上級生が下級生たちを引っ張り、良い雰囲気を作り出している。

 昨年のプレミアリーグEASTは9位で残留。クラブユース選手権は抽選負けで3位だった。伊達は「去年は(プレミアリーグで)残留争いだったので今年は優勝争いに絡めるようにしたいのと、去年はクラブユース準決勝で負けてしまって悔しい思いがあるのでクラブユースも取りたい」。この日は受けに回ってしまう時間帯もあったが、けが人が不在の中でチームは着実に成長中。サニックス杯や船橋招待大会で自信をつけ、4月開幕のプレミアリーグEASTに臨む。

(取材・文 吉田太郎)

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