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[球蹴男児U-16]長崎総科大附は敗戦を受け止め、成長の糧に。「1年後、2年後の選手権では勝てるように」

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長崎総合科学大附高FW伊藤壮太(1年=長崎レインボーSC出身)は意地のゴールを決めた

[5.4 球蹴男児U-16リーグD1第1節 鹿児島城西高 8-1 長崎総合科学大附高 大津町運動公園多目的A]

 長崎総合科学大附高(長崎)の選手に突き付けられた現実は厳しかった。3月下旬に入寮したが、怪我人が多かったこともあり、これまで1か月のトレーニングはゲームが中心。迎えた「2023球蹴男児U-16リーグ」Division1第1節の鹿児島城西高(鹿児島)戦は怪我明けの選手、痛みを押して出場する選手も多かった。動きは決して万全ではなく、運動量が少なかったこともあり、立ち上がりから選手同士が噛み合わない。小柄な技巧派MF須原裕希を中心に攻撃を組み立てようとしてもボールが落ち着かなかった。

 それならばと今年の売りである、推進力とスピードに長けたFW伊藤壮太(1年=長崎レインボーSC出身)とFW市川太陽の二枚看板に奪ってから素早くボールを付けるが、良い形でボールが入らない。伊藤は引いて受けてからのドリブルで見せ場を作ろうとしたが、1点が遠く、「自分は裏に抜けてそのままゴールに行くのが得意なので意識していたのですが、上手く裏が取れなくて決められなかった」と悔やんだ。

 前半のチャンスは左サイド高い位置からDF高橋桜覇が入れたロングスローのこぼれ球をゴール前で狙った場面ぐらい。攻撃で上手く行かない時間帯が続くと26分、45+1分と連続失点し、0-2で前半を終えた。

 後半11分にも3点目を許したが、15分にはGK森下琥太郎のロングキックから、伊藤が上手くゴール前を抜け出し、ゴールをマーク。ここから巻き返しと行きたい所だったが、前への圧力を高めた鹿児島城西の勢いに飲まれ、5連続失点を許し、1-8で試合を終えた。

 試合後、伊藤は「今年は監督とかに弱いと言われており、初戦はどうなるかと思っていたのですが、こういう結果になって悔しいです。チームとしてしっかり守れていなくて、攻撃も収める所で収められなかった。相手の方がチームとして強かった」と唇を噛んだ。

 力の差を見せつけられた格好となったが、高校サッカーは始まったばかり。これからの頑張り次第ではいくらでも巻き返せる。長崎総科大附には粗削りでも、誰にも負けない一芸を持った選手が多く、1年生のうちは球蹴男児で上手く行かない試合が続いても、最後まで諦めずに戦い続ける姿勢を磨いた結果、先輩たちは他チームと張り合えるようになっていった。

「昔から選手権とかをTVで見ていて、とにかく強くてみんなで走り切るのが印象的だった。最後まで頑張って、点を獲って、勝つサッカーがカッコいいなと思っていました。自分のプレースタイルに合うかなと思って、総附に決めました」。そう話すよう伊藤を含め、長崎総科大附がどんなチームかはみんなが良く分かっている。

「総附は走るのが多いチームなので、これからみんなでたくさん走っていきたい。鹿児島城西には負けたけど、1年後、2年後の選手権では勝てるようにみんなで頑張っていきたい」と伊藤が続けたように大敗を成長の糧にしていく。

(取材・文 森田将義)

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