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狙いはアグレッシブにボールを奪い、ゴールを奪いに行くプレー。岡山U-18が前半2発で立正大淞南撃破

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前半6分、ファジアーノ岡山U-18FW白神端基(右端)が先制ゴール

[5.13 高円宮杯プリンスリーグ中国第7節 立正大淞南高 1-2 岡山U-18 松江市営補助競技場]

 高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2023 中国は13日に第7節が行われ、立正大淞南高(島根)とファジアーノ岡山U-18(岡山)が対戦。前半に主導権を握った岡山U-18が2-0とリードしたのに対し、立正大淞南は後半に巻き返して1点を返したものの、その後は岡山U-18は踏ん張り、2-1で勝利を収めた。
 
 朝からの雨が降り続く中で始まった一戦は、立ち上がりから岡山-18がリズム良くパスをつなぎ、立正大淞南のプレッシャーをかわして敵陣深くまで攻め込む時間を作る。前半5分にエリア内右サイドからMF南稜大(2年)が右足で狙ったシュートは、立正大淞南GK塚田喜心(3年)の好セーブに阻まれたものの、直後の6分、CKを短くつないでからMF藤田成充(2年)が上げたセンタリングを、FW白神端基(2年)が右足で合わせ、早くも均衡を破った。
 
 立正大淞南も13分、左サイドを崩してMF久島理功(3年)がセンタリング、FW永澤叶太(3年)が左足で合わせたシュートがニアサイドを突いたが、岡山U-18のGKナジ・ウマル(3年)がキャッチ。ピンチをしのいだ岡山U-18は24分、エリア内でFW村木輝(3年)、MF磯本蒼羽(2年)、DF勝部陽太(3年)が立て続けにシュートを放つ波状攻撃を見せるも、立正大淞南も懸命のブロックで防ぐ。
 
 なおも攻め込む岡山U-18は28分、エリア外左サイド、ゴールまで約20メートルの位置でFKを獲得。MF楢崎光成(3年)が直接ゴールを狙うと、5人の人壁のすぐ上を越えたシュートが鮮やかにゴール左上スミに決まり、2-0とリードを広げた。
 
 苦しい展開で前半を終えた立正大淞南は、ハーフタイムの交代で2人を投入。そのうちの1人、FW廣田宗己(3年)が空中戦で競り勝ってフリックしたボールに、他の選手が絡んでいく攻撃のリズムが良くなり、立ち上がりから攻め込んでいく。後半6分にはエリア内左サイドを崩し、永澤とのワンツーで狭いエリアを崩した久島が左足でファーサイドに蹴り込み、1点を返した。
 
 立正大淞南は前半よりも相手ボールへのアプローチのスピードと迫力が増し、早い時間に1点を返して攻撃が勢いづく。対する岡山U-18もボールを動かしながら得点機を作り、9分には左からのセンタリングを藤田が狙ったが、上に外れて決まらない。16分には立正大淞南の永澤がゴール正面から左足で狙うが、GKナジ・ウマルが好セーブで防ぐ。
 
 その後もボール奪取から一気にゴールを目指す立正大淞南と、プレッシャーをかわして敵陣を目指す岡山U-18が、各エリアで激しい球際の攻防を繰り広げた。だが、どちらもチャンスになりそうな場面でボールコントロールが乱れたり、最後のところで守備側が体を張って守るなどしてスコアは動かず、そのまま岡山U-18が1点差で逃げ切った。
 
 岡山U-18は第3節以来4試合ぶりの勝利で、通算成績を3勝3分け1敗とした。今年度から指揮を執る梁圭史監督は、主導権を握って2点を奪った前半の出来を「立正大淞南の強みである対人プレーで負けず、戦えたことで、良い形で試合に入れた」と評価。後半は一転して苦しい展開となったものの、「どうやったらうまくいくのか、ピッチ内の選手も、僕も考えながらやることができて、どうにか勝ち切れた」と振り返った。

 梁監督は今年度のチームの狙いを「どんどん相手コートに入っていって、アグレッシブにプレーする。攻撃だけでなく、守備でもボールを奪い、ゴールを奪いにいく。そういうプレーを、どんどんやっていきたい」と説明する。全18節のリーグ戦は3分の1が終わり、中盤に入ったところ。指揮官は「ここまで、いろいろな選手が出て、いろいろな経験をしている。そこから、結果につながるようなプレーを増やしていきたいと思っているし、選手にも伝えている」と今後の戦いを見据えていた。

(取材・文 石倉利英)
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