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[MOM4306]実践学園MF古澤友麻(3年)_黙々と走り、自分の役割を遂行する 実践の“心臓”

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実践学園高MF古澤友麻(3年=FC.VIDA出身)は中盤で献身的に走り続け、ボール奪取

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.29 関東高校大会Bグループ決勝 実践学園高 1-0 日大藤沢高 AGFフィールド]

 身長169cmのボランチは相手を圧倒するような強さや巧さがある訳では無い。だが、抜群の運動量と予測の速さ、動きの工夫、そして際の強さでセカンドボールの回収やインターセプトを連発。そして、奪ったボールを正確に味方選手に繋ぎ、相手に隙あればゴールに迫るような動きも見せていた。

 実践学園高(東京)の内田尊久監督もMF古澤友麻(3年=FC.VIDA出身)について、「実はウチの“心臓”は彼なので。彼がいるのといないのとでは違うんですよね。本当にキープレーヤーの一人。(今日も)臆することなくチャレンジしてやってくれた」と賞賛。ピッチ外でもチームの役割を「黙々とやってくれる」というMFが、関東大会Bグループ決勝で特に印象的な動きを見せた。

 前半、実践学園はGK、CBからのビルドアップを徹底。1ボランチを務める古澤はそれを中盤でサポートしていたが、「トラップしてから考えることが多かった」。ミスからチャンスを作られてしまうシーンもあったことで、まず守備に集中。相手のテクニカルな中盤を潰すことを意識してプレーしていく。

 セカンドボールの攻防や守備対応では先に身体を相手に当て、少しでも足を伸ばしてマイボールに。3日連続で80分間フル出場のボランチは、この日も連戦の疲れを感じさせないような動き、走行距離でコーチ陣を驚かせていた。後半、ボール奪取の回数を増やしたMFは、「後半は相手の体力も少しずつ減っていて、自分は余裕があったので、終わりら辺まで強く行けました」。納得の表情で勝利を喜んでいた。

 自分よりも大柄な選手と対峙することが多い。だからこそ、「予測とかの部分を速くしています」。また、際の攻防でギリギリ足を届かせる力も「自分の長所だと思って活かしています」と説明する。この日、その特長を発揮して中盤の攻防戦で流れを引き寄せたことが、大きな勝因になっていた。
 
 目標とするプレーヤーは、MFエンゴロ・カンテ(チェルシー)。「身長はないんですけれども球際強くて、攻撃のところも積極的に係わっている。そこはとても尊敬しています」。実践の“心臓”はよりパスコースを切る動きやプレスバックの強度を高め、よりチームの勝利に貢献することを目指す。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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