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横浜FCユースの1年生FW前田勘太朗は2戦連発ならず、「全然足りなかった」。プレミアリーグで決める、こじ開けるFWへ

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横浜FCユースのU-16日本代表FW前田勘太朗(1年=横浜FCジュニアユース出身)が右足を振り抜く

[7.2 高円宮杯プレミアリーグWEST第10節 横浜FCユース 0-2 名古屋U-18 保土ケ谷]

 プレミアリーグ初先発だった前節・神村学園高戦で1得点1アシスト。U-16日本代表の注目FWにとって、この日はプレミアリーグの厳しさを実感する戦いになったようだ。

 横浜FCユースFW前田勘太朗(1年=横浜FCジュニアユース出身)は、前半から特にゴールへ向かう姿勢を表現。スペースへの抜け出しから果敢にゴールへ向かった。そして、対人守備の強い名古屋U-18DF陣との1対1にチャレンジ。シュートを打ち切っていた。

 チームメートたちも、その姿勢を後押しする声。前半43分には左サイドからのラストパスをゴール正面で受けると、切り返しから右足を振り抜く。だが、対峙したDFにブロックされてボールは後方へ。「個人の長所である背後に抜け出したあとのシュートとか、前に前進する推進力とかは圧倒的に足りていなくて、特にゴール前の質は全然足りなかった」と首を振る。

 前田は後半にも左サイドへの抜け出しから決定的なラストパスを通したが、得点に絡めないまま後半18分に交代。チームも0-2で敗れ、11位から浮上することはできなかった。前田はチームを勝たせられなかったことを悔しがる。

「(名古屋U-18が)強いと感じたのは事実なんですけれども、自分はその中でも点を取って勝たせないといけないので、どんなディフェンスでもこじ開けるのが自分の仕事だと思うので、全然足りなかったのかなと思います。この前の神村戦は自分も点を取って、アシストもしてと手応えはあったんですけれども、この名古屋戦で手応えはへし折られたというか……次に活かしていきたいなと思います」

 チームはゲームをコントロールし、チャンスを作っているものの、リーグで2番目に少ない12得点(9試合)。小野信義監督は「ゴールチャンスを作るところはたぶんどの試合もできている。最後決め切る力はすぐには上がってこないけれど、チャンスの数を増やして解決していくことと、やっぱりプロに行く、またそこから抜けていく選手は、最後個人で仕事ができるので、そこは自分たちの課題だなと思います」と指摘。MF永田滉太朗(3年)やMF加藤嵩寅(3年)、前田ら攻撃の軸を担う選手たちはより上に行くために、トレーニングから課題解決に取り組み続ける。

 前田はU-16日本代表として出場したU-16 インターナショナルドリームカップ2023 JAPAN(5、6月)で優勝。その直後には、U17アジアカップ開幕を控えたU-17日本代表の国内合宿にトレーニングパートナーとして参加した。U-17日本代表の活躍は刺激になっているようだ。

 この日無得点に終わったFWは合宿で得た激しさや、ゴール前の落ち着きを見つめ直す考え。また、長所の動き出しについてゲストコーチを務めた元日本代表FW大黒将志氏から学び、「常に止まらない、一発じゃなくて何回も何回も動き直して、10本動いて1本来たらラッキーくらいな感じでやっている」というFWは、その回数と質をさらに高め、次は点を取って勝つ。 
 
(取材・文 吉田太郎)
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