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U-19日本代表フランス遠征で「もっとやらないといけない」と意識変化。大阪桐蔭CB尾崎凱琉は成長と「強い桐蔭を取り戻す」ことを誓う

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大阪桐蔭高のU-19日本代表CB尾崎凱琉(3年=豊橋デューミラン出身)はプリンスリーグ関西1部復帰と選手権日本一を目標に掲げた

 海外遠征の経験を成長に結びつける。大阪桐蔭高(大阪)CB尾崎凱琉(3年=豊橋デューミラン出身)は7月、堺ユースフェスティバル(大阪)に参加。冬の選手権へ向けて個人、チームのレベルアップをすることや目の前に相手に勝つこと、「どんな大会でもタイトルを取る」ことに取り組んでいた。

 尾崎は今年6月、U-19日本代表のフランス遠征に参加し、モーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)に出場。U-20モロッコ代表戦やU-21コートジボワール代表戦など4試合中3試合に先発出場した。

 尾崎は昨年11月にU-17日本代表のクロアチア遠征を経験しているが、体調不良によって出場時間は5分ほど。今回のフランス遠征が「ほぼ初めて」の国際試合になった。やれる手応えを感じた面もある。だが、それ以上に自身と世界との差を感じたという。

 尾崎は180cm台半ばの高さと抜群のスピードの持ち主。その特長を活かしたカバーリングや競り合い、ビルドアップは海外でも通用したと感じている。一方で「フィジカルの部分とか、最初のポジションとか、自分の能力頼みだと海外で通用しないというのがあったので、そういうところはフランスから帰ってきて、チームのみんなに伝えていきながら、自分も意識しています」。予測や動き出しを速めることで対応できたが、現時点の力はまだまだ足りない。今回の海外遠征で「もっとやらないといけない」と意識が変わった。

 U-19日本代表の活動で刺激を受けた選手がいる。それは最終ラインの中央でコンビを組んだDF市原吏音(大宮U18)だ。市原はフランス遠征後の7月から大宮トップチームの先発として活躍中。尾崎は、ブレイク中の注目CBに追いつき、追い越すことを目指している。

「自分は吏音に今負けているなと感じて、そこは一番刺激をもらっています。吏音は海外の選手とも全然見劣りしないというか、力強く行っていて、競り合いでもほとんど負けなかった。毎回代表でも一緒ですし、でも、遠い存在では全然ない。自分が夏の期間で強くなって追いついて追い越していきたい」と力を込めた。
 
 尾崎は「自信がつくことによってコンディションも上がる」タイプ。インターハイ大阪府予選で敗退に終わったが、海外選手たちとの戦いで自信を掴むこともできた。帰国後のプリンスリーグ関西2部では大阪学院高(大阪)戦で劇的な決勝点。チームもこの間の3試合を2勝1分で終え、首位に立っている。

「プリンス(リーグ関西1部へ)上げるのはマスト。去年、自分も出ていて(2部へ)落としてしまっている。これからの桐蔭を背負っている代なので、後輩たちのためにも自分たちがしっかり結果を残して強い桐蔭を取り戻したい。チームとしても結果を残しながら、個人としても成長して行って、選手権で日本一を取って大学に行きたい」

 大阪桐蔭をプリンスリーグ関西1部復帰、17年度以来の選手権出場、そして日本一へ導くこと。個人としては、大学からプロ入りし、世界で活躍することが目標だ。「大学で自分のストロングポイントを伸ばしながら自分のウィークポイントをもっと改善して行って、弱みをなくした状態でプロへ行って、日本に留まるんじゃなくて、海外行って前フランスで負けた相手にもう一回リベンジしたいというのがあります」。それを実現するためには、プレーヤーとしてだけでなく、チームでリーダーシップを発揮するなど人間的にも成長しなければならないと考えている。

 7月22日には自身の試合後、いずれも大阪桐蔭の先輩であるDF三浦弦太やDF黒川圭介が出場したG大阪対セルティック戦へ。「賢く守ったり、デュエルの部分とか見て学びたいと思っています」と語っていた尾崎は、その経験も今後の飛躍に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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