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浜松開誠館は1年生たちも躍動。注目MF川合亜門が変化を示す

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浜松開誠館高の注目1年生MF川合亜門(浜松開誠館中出身)は改善してきた強度や走力で勝利に貢献

[9.2 高円宮杯プリンスリーグ東海第10節 富士市立高 1-2 浜松開誠館高 富士市立高校G]

 注目ルーキーが見違えるような動きを見せた。浜松開誠館高MF川合亜門(1年=浜松開誠館中出身)はダブルボランチの一角として先発出場。特別なサイズがある選手ではないが、序盤から空中戦の競り合いで引かず、球際の強度も示してボールを奪い取っていた。

 後半34分の決勝PKに繋がる攻撃は、川合が味方選手たちとボールを奪い返したことがきっかけ。「(青嶋文明)監督から身長もデカくないし、足も速くないし、プロとか評価を上げるためには一個武器がないと、と言われたので。そのためには守備で走ったりを武器にしないといけないと夏場は意識してやっていました」

 川合は昨年、浜松開誠館中のエース、主将として全国中学校大会優勝。また、中学3年生ながら浜松開誠館高の先発に名を連ね、プリンスリーグ東海で4得点をマークしている。1年生ながらプレースキッカーを任されているように、左足キックは特長。この日もボールを持った際の安定感を発揮し、FKからクロスバー直撃のヘッドを放った。

 左利きの技巧派が献身的に走り、泥臭くバトル。3年生に比べるとまだまだな部分もあるが、青嶋文明監督も「インターハイ終わった後からずっとやってきたので、あのくらいはできるようになってきた。能力的にも、サイズ的にも、そんなにある選手ではないので、そういうところで違いを見せれる選手にしてあげないと。(オン・ザ・ボールの部分を含めて)まだ1年生ですからね、大したものですよ」と評価するプレーだった。

 昨年の活躍もあり、周囲が求める基準はどうしても高くなる。川合も「最初はちょっと大変だった」と明かす。ただし、注目ルーキーは前を向いて取り組んできた。「最近はチームのために頑張ることを意識して、走ったり、守備したり、チームが勝つことを最優先してやっているのでようやくスタートラインに立てたというか、ここからどう成長していくか」。この日は練習試合でできていたことができなかった部分も。より攻守で相手を見てプレーし、結果と内容を表現していく考えだ。

「去年は、点は取っていたんですけれども、選手権に出て大学でもう活躍しているような選手が何人もいますし、そういうメンバーだったので、自分がゴール前で待っていればボールが来た感じなんですけれども、今年上に行くとなったら点だけじゃなくて内容とかも求められるので、そういうところでもっと仲間を使ったり、頭を使ってプレーできたら良い」と意気込んだ。

 この日はGK吉田壮馬(1年=TSV四日市1973)も活躍。相手のミドルシュートに反応し、1対1でビックセーブも見せた。青嶋監督も「あの子が出てきたことも大きいですね。難しいところでゲームを壊さないので、流れが来ますよね」と評価。2点目のピンチを阻止し、逆転勝ちを引き寄せた。

 この日は活躍して勝点3獲得に貢献。川合は「まずは選手権に出るとか(プレミアリーグ)参入戦に出るという目標があるので、その目標に向かってチームのためになることを全力でやって、そうしたら自分の課題もどんどん出てくるので、その課題にはしっかりと向き合って、スタッフとか監督からたくさんアドバイスを貰えるのでそこに向き合って、トライしてやっていきたい。上手さとか、駆け引きプラス戦える選手だったり、もっとタフさを出したり、頭を使ったり……きょうもちょっとファウルとか勢いに乗りすぎた部分があるので、もっと頭を使って冷静にできるようにしていきたいです」。期待の1年生たちは課題を一つ一つ改善し、よりチームの力になる。

GK吉田壮馬(1年)は1対1をストップするなど勝利に大きく貢献した

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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