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山梨学院が昇格1年目で関東ROOKIE LEAGUE Aリーグ制覇!U-16全国大会出場権獲得!

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山梨学院高が「2023関東ROOKIE LEAGUE」Aリーグを制覇

[9.9 関東ROOKIE LEAGUE Aリーグ第9節 帝京高 0-1 山梨学院高 時之栖うさぎ島G]
 
 関東・静岡の強豪校の1年生が90分間ゲームのリーグ戦で力を磨く「2023関東ROOKIE LEAGUE」は9日、静岡県の時之栖うさぎ島グラウンドと同裾野グラウンドで最終節を行い、Aリーグは山梨学院高(山梨)が初優勝を果たした。山梨学院は勝点3差の4位・帝京高(東京)と戦い、交代出場FWオノボフランシス日華の決勝点によって、1-0で勝利。優勝を決めた山梨学院は、12月に開催されるU-16の全国大会、MIZUNO CHAMPIONSHIPへの出場権も獲得した。

 21年に初挑戦のCリーグを制し、昨年はBリーグで全勝V。2年連続で昇格即優勝を果たしてきた山梨学院が、Aリーグでも昇格初年度に優勝を果たした。関東ROOKIE LEAGUE参入から3年目で最短のトップリーグ優勝。右SB西澤隼斗は「去年、一個上の学年がBリーグで優勝してくれて、(U-16エントリーリーグのspolab rookieから)3回連続で優勝してAまで上がってきてくれた。次の代にも繋がったかなと思います」と頬を緩めた。

 試合は苦しい展開だった。指揮を執った島垣亮吾コーチから「1年生の活動の集大成。(相手を)リスペクトしすぎず、今までやってきたことに自信持って、勇気持って、仲間を信じて戦え!」と送り出された山梨学院だが、個々の技術力と連動性の高い帝京に苦戦を強いられた。

 立ち上がりは繋ぎに行こうとした山梨学院だが、多くの時間帯で帝京にボールを支配されてしまう。帝京はMF加賀屋翼が縦パスを差し込むなど、最終ライン、中盤からグラウンダーのパスが次々と通る。そして、リーグ6得点のFW宮本周征の抜け出しや右SB小林爽人のドリブル突破などでゴール前のシーンを創出。山梨学院ゴールを脅かした。

 山梨学院はOBのFW加藤拓己(現清水)と比較される184cmFW朝倉総へのロングボールを中心とした攻撃に切り替える。そして、シーズンを通してハイパフォーマンスを続けた10番MF高見啓太らが係る形で攻撃にトライし、またセットプレーからCB飯田蓮士郎の放った右足シュートがクロスバーをヒット。守勢を強いられたが、相手を引き込んでボールを奪いに行くなど状況に応じた戦いを見せる。

 西澤は「DF陣は良く耐えたと思いますけれども課題がいっぱいあるので、あれを完璧に抑えないと全国では通用しないと思うのでそこをもっと強く行けるように」と首を振る。だが、主将のCB影山登哉や「サッカー感的なのは良いと言われていて、自分、テクニックは全然ないのでその場のスピード感だったり、周りを見てスペース埋めたり連係したりしている」という西澤らリーグ最少失点のDF陣が要所を封じるなど得点を許さない。

 そして、後半にスピードある選手を投入するプランが当たった。22分、交代出場の快足FWオノボが相手のバックパスに狙いを定めて追い込むと、DFのタッチが乱れたところをスライディングシュートで決めて先制点。この後も帝京にゴール前へ迫られるシーンが続いたが、朝倉が「みんな負けても下がらないで『行ける、行ける』みたいな。本当に学校とか、寮とか、グラウンドでもみんな一緒にいて喋ったりしているので、そういうところから絆とか生まれている」という山梨学院は助け合いながらゴールを守り続けた。

 勝てば全国大会出場の可能性のある帝京も諦めない。GK須藤文汰の好セーブなどで1点差を維持。アディショナルタイムには中央からの崩しでゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定でゴールとはならなかった。1-0で勝ち切った山梨学院が初優勝。島垣コーチはAリーグへ繋いでくれた2、3年生やOBに感謝した。

 そして、「1年生の段階からこの緊張感と、このレベルの試合ができるのは本当にありがたい。全国ルーキーと冬の選手権へ向かって一回り二回り成長していきたい」。また、試合後のミーティングで横森巧総監督から「みんなは今からの選手。自分をもう一回磨き直さないとダメ」と言葉を掛けられた選手たちはここで満足することなく、MIZUNO CHAMPIONSHIPでの初出場初優勝やトップチームでの活躍など次の目標へ向かう。

 西澤は「山梨学院では全国ルーキーと冬の全国選手権は行きたいと思っていました。選手権全国目指して、そこの中で自分のプレーをもっと出して、1年生から選手権に出られるならば出たい。(この結果に)奢らないで色々な試合で全部勝ち抜いていきたい。(全国ルーキーは)優勝を目指します」ときっぱり。チームトップの6ゴールをマークした朝倉も「(トップチームに上がり、)今年は後半からでも点を取って流れを変える選手になって、1年生からでも選手権で得点王になって、自分の名前を売りたいです。(ルーキーリーグの)全国大会でもバンバン得点を狙って得点王になりたいと思っています」と誓った。目標を持って自分たちを磨き直し、また大舞台で結果を残す。


(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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