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[NBチャンピオンシップU-16]再び名を上げる大会に。目標は「優勝一択」の飯塚が昌平に1-0勝利

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飯塚高が強豪対決を制した

[9.16 NBチャンピオンシップ予選リーグ 昌平高 0-1 飯塚高 時之栖うさぎ島G]

“全国大会級のU-16大会”、「ニューバランスチャンピオンシップ 2023 U-16」(静岡)が16日に開幕し、Fブロック第1節でともに優勝歴を持つ昌平高(埼玉)と飯塚高(福岡)が激突。飯塚が1-0で強豪対決を制した。

 昌平は17年、18年大会で2連覇。飯塚は19年大会で頂点に立っている。近年、インターハイや選手権で上位へ進出し、プレミアリーグへ昇格するなど今や全国区の強豪となった昌平と、福岡から台頭中の飯塚の注目カード。開始直後にCKのこぼれ球をCB森本快が押し込み、飯塚がスコアを動かした。

 島田一真コーチが「60分ゲームということで最初から」というように、飯塚は先手を取ることを意識して立ち上がりからプッシュ。セットプレーから先制点を挙げた。対する昌平はボールを保持する時間を増やし、センスの高い動きを見せるMF高江洲春虎やキープ力の高い大型MF伊藤隆寛がゴールを目指す。

 14分には、伊藤の右足アウトにかけたシュートが左ポストをヒット。さらに10番FW齋藤結斗や俊足FW平野龍空のシュートが飯塚ゴールを脅かした。だが、飯塚は前線で存在感のある動きを見せたFW塚本一咲が、「一人ひとりがサボらずにチームのために頑張って、身を削ってやれました」と評したように、各選手が最後の一歩まで厳しく身体を寄せることや、カバーリングすることを徹底する。

 昌平の選手たちの個々の技術力の高さには飯塚の選手も驚いていたほど。だが、要所で好守を続けるCB木下宗祐や、抜群の強度で中盤を制圧していたMF保科剛が中心となって良く相手の攻撃を食い止めていた。

 逆にFW転向4か月の塚本が攻撃力を発揮。この日、飯塚はMF吉田善を中心にボールを繋ぐ一方、塚本の高さやスピードを活かした攻撃も見せていた。後半8分には、塚本がDFの前に強引に潜り込んでマイナスの折り返し。これを受けたMF古畑魁斗がGKをかわして右足を振り抜く。だが、昌平DF内藤有斗がゴールカバー。1点を追う昌平も対人守備の強さを示すCB高橋心晴、CB遠藤佑太に支えられる形で前からボールを奪いに行き、飯塚のビルドアップを乱す。そして幾度かチャンスを作り出していたが、堅守・飯塚の前に得点を奪うまでは至らず。好勝負は飯塚が1-0で勝利した。

 飯塚は19年大会で初出場初優勝を果たした。その優勝メンバーは3年時の21年インターハイに初出場し、16強。また、昨年度は選手権初出場で16強入りと「ニューバランスチャンピオンシップU-16」は、飯塚が飛躍するきっかけの大会になっている。島田コーチは「バズる大会ですから。知ってもらえますからね」とコメントし、保科も「飯塚の名前を売るためにも良い大会」と語る。

 年々戦力が向上している飯塚は今大会、まずは関東の注目校を撃破。続く相生学院高(兵庫)戦も2-1で勝利し、ブロック2位以内と決勝トーナメント進出を決めた。今後、さらなる強豪との戦いが続くが、塚本は「(目標は)優勝です」と語り、保科も「(目標は)優勝一択です」と宣言。2度目の優勝を果たし、また飯塚の名を上げる。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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