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[プリンスリーグ北信越]ともに負けられない一戦。3位・新潟U-18vs6位・富山一は互いに譲らず、3-3ドロー

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アルビレックス新潟U-18は一時2点リードも、追いつかれてドローに

[9.23 高円宮杯プリンスリーグ北信越第14節 富山一高 3-3 新潟U-18 富山一高グラウンド]

 高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2023 北信越は23日に第14節を行い、富山一高(富山)とアルビレックス新潟U-18(新潟)が対戦。両者譲らず3-3の引き分けとなった。

 前節を終えて3位の新潟U-18と、2位の日本文理高(新潟)との勝点差は5。逆転でプレミアリーグプレーオフ進出を掴み取むには残り5試合で勝点3を積み上げ、プレッシャーをかけ続けるしかない。対する6位の富山一と最下位、松本U-18(長野)との勝点差も5。前日練習で加納靖典監督が「残り試合は勝点1でも掴めるかが、大きな意味を持ってくる」と選手にハッパをかけた通り、降格圏内から遠のくのが目標だった。

 ともに負けられない一戦で先に試合を動かしたのは富山一。新潟U-18DF山倉渉(3年)のロングシュートがゴールを急襲するなどピンチもあったが、「ボールにハードなプレッシャーをかけて速く攻めるため」(加納監督)急きょ採用した3バックが機能。前半22分には良い守備から、素早く相手陣内へと運んだボールをMF稲垣禅太郎(3年)がゴール右隅に決めた。

 幸先の良いスタートを切ったものの、富山一の流れは続かない。「早い時間帯に先制するとやっぱり難しい。1点を獲ってから気持ち的に守ろうという意識が働き、後ろが重くなってしまった」と振り返るのは加納監督。以降は「上手く優位性がある所を探しながら、相手陣内に侵入してスピードアップする回数をたくさん作れた」と内田潤監督が振り返る新潟が見せ場を作る。

 33分には後方からのパスを、左サイドのエンドライン際でMF丸山皓己(3年)がオンプレーに持ち込むと、傍にいたFW長谷川紡(3年)へ。最後はニアに走り込んだMF石山青空(3年)が合わせて同点に持ち込む。39分には素早いパス回しで中央を崩し、長谷川の落としからMF小林章馬(3年)が放ったシュートが決まり、新潟が逆転に成功した。

 以降も新潟が相手エリアでの時間を作りながらも、シュートまで行けない場面が続いた。反省点を口にするのは石山。「スルーパスを入れても味方に通っていなかったので質としては最悪だった。チャンスを作っただけというか、チャンスに見えるシーンというだけで全くチャンスではなかった」。それでも後半8分には長谷川が振り向きざまに3点目を決めて、富山一を突き放す。

 2点のビハインドを背負った富山一もこのままでは終われない。「ハーフタイムは戦術盤がどうこうではなく、なぜ3バックでやっているのか立ち返った。積極的にボールを奪いに行って、攻めるためでしょって。そこができていないから、やろうよと言って送り出した」(加納監督)。15分にはDF大居優汰(3年)の左クロスはニアで合わなかったが、ファーのFW加藤隼也(3年)がヘディングでの折り返しに成功。最後はDF岡田駿也(3年)が押し込んで1点差に詰め寄ると、24分にも岡田が左CKからゴールネットを揺らし、試合を振り出しに戻した。

 試合終盤は富山一に退場者が出て、10人での戦いを強いられた。新潟に押し込まれる場面が続いたが、最後まで粘り強く失点を回避し、3-3でタイムアップ。「子どもたちが望んでいたやり方ではなかったかもしれませんが、これもサッカー。前期だとやられたまま終わっていたと思う。前期に苦しんだ分、ここからは実りの秋ではないですが、勝点を獲っていかないといけない」。加納監督の言葉通り、富山一にとっては収穫のある引き分けとなった。

 対する新潟にとっては悔しさが残る引き分けになったのは間違いない。「後半、先に点が奪えて、良い流れになっていた所でセットプレーから1点返された。そこから相手に勢いを渡して、何もできなかった。そこはあと4試合で修正していかなければいけない」と反省を口にするのは大竹だ。試合後は肩を落とす選手も多かったが、今節は日本文理も引き分けたため、逆転の芽は残っている。次節は直接対決でもあるため、気落ちしている暇はない。内田監督は「一番、勝ち取れる最高の勝点を全部獲りたい。残り4試合なので12を目標にやるだけ」と口にした。

(取材・文 森田将義)
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森田将義
Text by 森田将義

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