[3.13 サニックス杯予選リーグ 近江高 2-3 大津高グローバルアリーナ]
　
　まだまだ遠慮が見られるというが、チーム屈指のスピードを大津高(熊本)相手に攻守両面で披露。近江高(滋賀)の前田高孝監督も「もうちょい、行けるようになると面白いと思います」と期待する存在だ。

　MF松山大納(1年=FC Fuji)は、「相手も大津だったんで。自分、積極的にやってった方がいいかなと思いました」と立ち上がりからアグレッシブな動き。守備ではチームのスイッチを入れ、スプリント力を活かして相手のキックに触れるかどうかのところまで身体を寄せていた。

　そして、相手のミスを逃さずに、インターセプトしてスルーパス。また、崩しに係わって強引に足を振った。怖さのある動きを見せていたMFは後半2分、PAへ抜け出し、PKを獲得。自ら右足で決め、チームに今大会初得点をもたらした。

「自分はまずはガンガン行ける守備のところと、あとは自分一人でも前に行ける推進力ってところは見て欲しいです」。この日はPKでの得点のみに終わったことを反省。遠慮することなく、もっと自分からゴールへ向かい、行き切って得点をする。

　指導者同士の繋がりもあり、静岡のFC Fujiから滋賀の近江へ。ドリブルなどを磨き、昨年から近江高Bの一員としてプリンスリーグ関西2部を経験した。そのMFは、3年生が選手権で躍動する姿を見て大いに刺激を受けている。

　左サイドが主戦場の松山は、イングランド代表MFジャック・グリーリッシュの動きを参考にプレーしているという。この日、近江は1年生8人が先発したが、中盤で抜群のキープ力を見せたMF中江大我(1年)とともに松山は存在感を放った。目標は選手権優勝。得意の動き出しなどをさらに磨き、自分の力で近江をより、輝かせる。

(取材・文　吉田太郎)