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[J-VILLAGE CUP U-18]前橋育英は前向きな準優勝。選手権優勝世代と同じ「5つの原則をもっと詰めていけたら」

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前橋育英高は第6回 J-VILLAGE CUP U-18で準優勝。今年は「5原則」と個々の成長、チームの結果にこだわる

[3.18 J-VILLAGE CUP U-18決勝 川崎F U-18 2-2(PK6-5)前橋育英高 Jヴィレッジスタジアム]

“上州のタイガー軍団”こと前橋育英高(群馬)は、U-18年代の強豪19チームとU-17日本高校選抜の計20チームが争った第6回 J-VILLAGE CUP U-18で準優勝。U-17日本高校選抜3選手や体調不良で主軸候補を欠いたものの、予選で3連勝し、決勝でも強豪・川崎F U-18と90分間渡り合った。

 決勝では先制されたものの、後半にMF黒沢佑晟(2年)がCKから同点ゴールを決め、MF石井陽主将(2年)のPKで逆転。その後、追いつかれてPK戦の末に敗れたものの、選手たちは充実の表情を見せていた。

 石井によると、今月はJクラブユース勢や強豪校と対戦したプーマカップ、アスレカップで自分たちの良さを出すことができているという。そして、「J-VILLAGE CUPも結構収穫のある大会だったんで。最後勝てなかったですけど、1点ビハインドから追いついて逆転までできたことは自信にも繋がるかなと思ったんで、そこはプラスに捉えていきたい」と前向きに捉えていた。

 また、山田耕介監督が「やりくりできるようになってきた」と語ったように、選手たちも選手層の向上を実感。石井は「(不在だった選手の)代わりに入った選手とかも、どんどんアピールとか自分たちのプレーを出していて、そこが逆にいい噛み合わせになったりとかもして、色々なパターンも出てきてるので、そこはほんとに今年の良さでもあると思って、自信持っていきたいです」と頷いた。

 その石井は、「声、ハードワーク、球際、“ファースト・セカンド”、トランジションの5つの原則を今年、チームで立てているので、その5つの原則をもっと詰めていけたらなと思います」と続ける。今年、前橋育英が掲げている「5原則」。発案者の石井は、「選手権優勝した代がちょうど立てた目標なんで、そこは真似していこうかなって思って」とその理由を説明する。

「その5つの原則は、どんな試合でも発生する大事な5つだと思うんで、そこはチームとしても外せないやつだなっていうのは(当時の)記事を読んでも感じたんで、そこはみんなに伝えて、しっかりこれをチーム全体で共有してやっていこうっていう話をしています」

 前橋育英の選手たちにとって、2017年度世代は特別な存在だ。主将のMF田部井涼(現岡山)やCB角田涼太朗(現コルトレイク)らを中心に同校初の選手権制覇。石井は、「やっぱり結果も一番出した代だと思うし、あの代は群馬県出身の選手、(前橋育英高崎グランドで活動する)マエエフ(前橋FC)の先輩とかもいたんで、やっぱりお手本にしている選手も多い学年です。バックラインから全てがほんとにタレント揃いで、その中でもちゃんと自分たちの良さとかも理解しつつゲームをしっかり作っていくような、(田部井)涼さん中心にやっていたと思うんですけど、そこはほんとに素晴らしい学年っていうか、まとまりのある集団だなっていうのは感じました」と説明する。

 同じく前橋FCから前橋育英へ進学し、昨年からレギュラーを務めるCB青木蓮人(2年)も、「前育の中でもあの世代しか(選手権の)頂点っていうのは取ってないですし、プロも多い。自分たちが同じことをやれるかって言ったら、全部同じことをやれるっていうのはないと思うけれど、その中でもやっぱり参考にする部分はたくさんあると思う。まず5原則を徹底していきたい」と意気込んだ。

 石井と青木やCB山田佳(2年)、MF平林尊琉(1年)、FWオノノジュ慶吏(2年)のU-17日本高校選抜トリオら昨年からプレミアリーグや全国舞台を経験した選手を数多く残す今年、J-VILLAGE CUP U-18決勝で活躍したMF白井誠也(1年)ら新たな力の台頭もある。

 昨年は全国大会で上位進出することができなかったこともあり、選手たちが口々にしていたのは個人の「成長」とチームの「結果にこだわりたい」という言葉。「5原則」を突き詰め、4月開幕のプレミアリーグEASTから、インターハイ、選手権でも結果を残す一年にする。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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