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広島ユースが2連覇に向けて好発進!! プレミア初参戦・帝京長岡は「もっと勇気を持って」次戦以降に臨む

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サンフレッチェ広島ユースが白星スタート

[4.7 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 広島ユース 2-0 帝京長岡高 安芸高田市サッカー公園]

“高校年代最高峰のリーグ戦”高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 WESTは7日に第1節2日目が行われ、サンフレッチェ広島ユース(広島)と帝京長岡高(新潟)が対戦。前回王者の広島が2-0で勝利し、連覇に向けて好スタートを切った。

 試合は立ち上がりから広島が、右のFW大上免嵐(3年)、左のMF長沼聖明(2年)の両サイドを中心に攻め込み、ボールを奪われた後も素早くプレッシャーをかけて、帝京長岡に容易な前進を許さない。ゴール前のチャンスも多かったが、前半8分のMF井上証(3年)、14分のMF小林志紋(2年)のシュートは、どちらも帝京長岡GK小林脩晃(3年)にセーブされた。

 帝京長岡も24分、自陣深くからショートパスをつないで広島のプレッシャーをかいくぐると、ロングパスに反応したFW安野匠(3年)が持ち込んで一気にゴール前へ。そのまま左足で狙ったが広島GK小川煌(2年)にセーブされ、こぼれ球を狙ったDF下田蒼太朗(3年)のシュートにFW新納大吾(3年)が反応してコースを変えたボールもGK小川に止められた。

 その後は再び広島が押し込み、38分にはゴール前でフリーとなったMF井上が左足で狙うが、大きくクロスバーの上へ。41分に右から持ち込んだFW大上免が切り返しから左足で狙ったシュートもGK小林の正面を突き、そのままスコアレスで前半を終えた。

 後半も広島が押し込む一方、帝京長岡もボールを前進させる場面が増えて、一進一退の攻防が続く。それでもゴール前のチャンスが多いのは広島だったが、13分にMF小林がGKと1対1のビッグチャンスを迎えるも、GK小林にセーブされる。20分にはMF長沼のシュートから波状攻撃を仕掛けるも、帝京長岡の体を張った守りに、どうしてもゴールを割ることができない。

 だが25分、ついに広島が均衡を破る。DF児玉司(2年)がインスイングで蹴ったCKがクロスバー付近に飛び、GK小林がキャッチし切れずファンブル。落下点にいたDF木吹翔太(3年)が反転しながら左足ボレーで狙おうとした直前、クリアしようとした帝京長岡の選手が蹴ったボールがゴール左上スミに飛び込んでオウンゴールとなった。

 先制された帝京長岡は28分、ゴール右からのFKをMF柳田夢輝(3年)が直接狙い、右下スミを捉えたが広島GK小川が好セーブ。ピンチをしのいだ広島は35分、左からのセンタリングを途中出場のDF梅田大翔(2年)がヘッドで合わせるも、何度もファインセーブを見せる帝京長岡GK小林が防いだ。

 帝京長岡は勝ち点獲得を目指して懸命に攻め込んだが、試合終了間際の43分、広島はボールを奪ったDF小谷楓河(3年)が前線にロングパス。相手が処理を誤ったボールをMF小林が奪ってGKと1対1になり、今度はしっかり決めて2-0として勝負を決めた。

 昨年、2年ぶり6回目の優勝を果たした広島は今年度の3年生のうち、MF中島洋太朗が昨年9月、FW井上愛簾とDF木吹が今年4月に、早くもプロ契約を締結。中島と井上愛は同日に行われた明治安田J1リーグ第7節・湘南戦で控えメンバーに入ったために不在で、加えて負傷者がいることもあり、野田知監督が「急造のような布陣」と語る陣容で臨んだ。

 野田監督は「試合内容や、2-0の状況での試合の終わらせ方などに課題が出たので、もっと突き詰めてやっていく必要がある」と指摘したものの、苦しみながらも白星スタート。「ここにいる選手でよく頑張って、勝利をつかんでくれてよかった」と評価した。
 
 今年度がプレミアリーグ初参戦の帝京長岡は、GK小林など守備陣の奮闘で接戦に持ち込んだが、勝ち点は獲得できなかった。古沢徹監督は「この強度の試合に慣れていかなければダメ。もっと勇気を持って相手の前でボールを受けるプレーを、90分間の中で少しずつ増やしていきたい」と課題を指摘し、「開幕戦で素晴らしい相手とやらせていただき、自分たちの指針、来週に向けて何をするかを、もう一度考え直させてもらった」と今後を見据えた。
 
 新潟からWESTに参入したため、この日のような広島や、鹿児島の2チーム(神村学園高、鹿児島城西高)とのアウェーでの対戦は、移動も含めてタフな戦いとなる。「試合を重ねるごとにチーム力を上げていかなければいけない」と語った主将のDF山本圭晋(3年)は、「いろいろな人が携わってくれているので、少しでも良い報告ができるように、ひたむきに日々練習して結果を出したい」と初めての挑戦に意気込んでいた。

(取材・文 石倉利英)

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石倉利英
Text by 石倉利英

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