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[関東 ROOKIE LEAGUE]「来れない子たちのためにも」全体で戦った日大藤沢が市立船橋撃破。U-16日本一へ、開幕白星

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前半2分、日大藤沢高がFW相馬孝悟(37番)の先制点を喜ぶ

[4.20 関東ROOKIE LEAGUE Aリーグ第1節 日大藤沢高 3-1 市立船橋高 時之栖裾野G] 
 
 20日、関東・静岡の強豪校の1年生が90分間ゲームのリーグ戦で力を磨く「2024 関東 ROOKIE LEAGUE」が開幕した。トップリーグのAリーグ第1節で日大藤沢高(神奈川)と市立船橋高(千葉)が対戦。日大藤沢が3-1で勝利した。

 関東 ROOKIE LEAGUEは、Aリーグの上位2チームとプレーオフの勝者の計3チームがU-16全国大会のMIZUNOCHAMPIONSHIP(12月)へ出場。このリーグ戦や全国大会でアピールし、年代別日本代表へのチャンスを掴んだ選手もいる。また、高校進学直後の1年生にとっては、貴重な真剣勝負の機会。成長と勝利を目指すリーグ戦で日大藤沢が白星スタートを切った。

 日大藤沢は前半2分、MF岩藤豪丞のパスでFW相馬孝悟が相手DFラインと入れ替わる。そして、GKとの1対1から右足で滞空時間の長いループシュートを決めて先制した。日大藤沢はサブの選手も、ベンチから大きく飛び出して祝福。だが、この後、市立船橋が距離感良くボールを繋いで主導権を握った。

先制点を喜ぶFW相馬孝悟

 市立船橋は、全体的に相手のプレッシャーに動じず、ボールを運べる選手が多い。特にMF高山大世とMF大原隼介の両ボランチが積極的に係わりながらボールを前進させる。相手を押し込み、MF田中優成のドリブルやグループでの崩しにチャレンジ。だが、日大藤沢はCB宮内優豪とCB山下力を中心に粘り強く対応し、決定打を打たせない。また、元日本代表MF中村憲剛を父に持つMF中村龍剛は、攻撃面以上に読みの鋭さを活かしたセカンドボールへの反応やアプローチの速さが光っていた。

 日大藤沢はその中村のFKやループパスからチャンス。押し込まれる時間が長かったものの、中村や同じく小柄な技巧派MF岩藤が狭い局面でも技術力を発揮し、GK斎藤蓮も正確なフィードを見せる。そして、馬力のあるFW村上滉を筆頭としたカウンターや、勢いのある攻撃に結びつけていた。

 市立船橋は26分、大原のラストパスから左のMF渡里蒼生が右足シュートを枠へ飛ばす。だが、日大藤沢は33分、自陣でボールを奪うと、中村が相手DFラインとGKの間へ距離の長いスルーパス。市立船橋のGKが飛び出したが、この日ハードワークを続けたMF富田周平がクリアを体に当てる。ボールは市立船橋ゴールの方向へ転がり、そのままゴールラインを越えた。

 富田が「あれはもう(中村)龍剛から来るっていうのが分かってたので、自信を持って飛び出したし、取らないと個人としての責任もありますし、絶対結果を残したいって思ってたので、気持ちで押し込みました」というゴール。市立船橋はこの日、県選抜の活動で不在の選手も多く、急遽CBを務めたMF福田一平らが奮闘していたものの、2点ビハインドとなった。

MF富田周平のゴールで2-0

 日大藤沢は、相手を引き込んでいた前半から後半は前へ出て奪いに行く意識を高めてスタート。それでも、市立船橋の個々の技術力は高く、ボールを保持される時間は増えた。だが、日大藤沢は交代出場の選手たちがパワーを加え、ゴールをもたらす。後半27分、FW荒川希央の突破からFW徳能大智が決めて3-0。市立船橋も試合終盤、MF俣野寛太のアシストからMF須甲智也が決めたものの、日大藤沢が勝利した。

 日大藤沢の富田は「やっぱ来たくても来れない人がいる中で、その子たちの分も戦うっていうのもありますし、去年、(先輩たちが)全国ルーキーへ行っていて、(今年も)もう1回行かないといけないっていう責任もあるし、そういう色々な支えてくれた人だったり、来れない子たちのためにも、チーム全体で勝とうっていう話をして臨みました」と振り返る。

 責任感を持って戦い、目標のU-16全国大会出場へ向けて大きな開幕白星。富田は「(今日は)チーム全体で勝てたっていうのがいいところだと思います。(今後は、)全国ルーキー出場だけじゃなくて、もっと上を目指したい。チーム全体で日本一を取りたいです」と誓った。日大藤沢は、現在磐田で活躍中のMF植村洋斗を擁した2017年に前身のU-16全国ルーキーリーグ交流大会で優勝。それ以来のU-16年代日本一を勝ち取り、個人、チームでの飛躍に繋げる。

開幕戦から強度の高い戦いに

(取材・文 吉田太郎)
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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