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「確かな自信を得るため」臨んだ一戦。新潟U-18が日本文理を下し、今季初白星!

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前半16分、アルビレックス新潟U-18がFW石山未来の先制点を喜ぶ

[4.28 プリンスリーグ北信越1部第4節 新潟U-18 1-0 日本文理高 新潟聖籠スポーツセンター]
 
 高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2024北信越1部は28日に第4節を実施した。アルビレックス新潟U-18(新潟)と日本文理高(新潟)の一戦は、前半16分のFW石山未来(2年)の得点を守り切った新潟U-18が1-0で勝利した。

 昨季はリーグ2位となった新潟U-18だが、今季はスタートダッシュに躓き、開幕から1分2敗。「ゲーム内容的には自分たちのスタイルをしっかり出せていたけど、開幕戦の帝京長岡高Ⅱ戦はセットプレーから2失点。そうした所の甘さがあって失点していた。同時にこちらのクォリティーの無さで点が取れないゲームが続いていた」。そう振り返るのは内田潤監督だ。

「一つずつゲームを重ねるごとに、その都度出た課題点を改善し、自分たちの良い部分が増えていたので、私としては何も心配していなかった」と指揮官は続けるものの、結果が出ないといくら内容が良くても選手は前向きな気持ちになれない。「確かな自信を得るため」(内田監督)に挑んだのが今節で、白星はマストだった。

 選手たちも勝利に飢えていた。「相手に球際で負けていたので、この一週間そこを練習してきた」と話すのは主将のDF芹澤飛勇(3年)で、開始から接触を厭わない。攻撃では自陣からテンポよくボールを動かしながら、「前から奪いに来た時は相手のレーンが高いので、裏が空くことが分かっていた」(芹澤)と効果的に相手DFの背後にスルーパスを通してチャンスを伺う。

「前半は特に良い判断、良いテンポでプレーできていた」と内田監督が称えたように中央とサイドの使い分けも効果的だった。右SBに入ったDF吉越由翔(3年)の攻撃参加や、MF中村琉優(3年)が繰り出す左からのカットインを交えて試合の主導権を握り続けると、最初の決定機は16分。中盤でタメを作ったMF安田陽平(2年)のスルーパスから、ゴール前を抜け出した石山が落ち着いてシュートをゴールに突き刺した。

 以降も新潟のペースで試合が進んだが、追加点が奪えず前半を終えると後半は状況が一変する。日本文理はフィジカルに長けたFW藤川空(3年)へのロングボールを徹底。右サイドハーフに入ったDF篠原悠大(3年)もサイドからクロスを上げ続けた。

 力強く同点弾を狙った日本文理に立ちはだかったのは、新潟U-18の守備陣。「相手はクロス攻撃が多いので、とにかくクロスを上げさせない思いでプレーしていました」と口にする芹澤が粘り強い守りでサイドに蓋をしつつ、DF大滝亮(3年)と加島入江(3年)のCBコンビもチャレンジ&カバーを徹底し、失点の隙を与えない。

「自分が出て初勝利を掴みたい、みんなに初勝利を勝ち取らせてあげたいという強い気持ちだった。みんなが攻撃している時に後ろの相手のマークなどを指示して、次の攻撃に繋げようと意識して声を掛けていました」。そう振り返るプリンスリーグ初スタメンのGK松浦大翔(1年)もルーキーらしからぬ堂々とした立ち振る舞いを披露し、1-0での勝利に貢献した。

 昨年の新潟U-18はリーグ終盤の追い上げによって最終節で2位に浮上し、プレミアリーグプレーオフに進出したが、1回戦で鹿児島城西高(鹿児島)に敗れ、昇格は果たせなかった。「今年はプレミアリーグ昇格が目標」と芹澤が話す通り、2016年度以来となる晴れ舞台に到達するため選手の意気込みは強い。目標を達成するため、力の差を痛感したという球際の強さを日々の練習から意識しているという。スタートで出遅れたものの巻き返しのチャンスは十分にある。ようやく掴んだ勝利という自信を胸に、ここから新潟U-18は浮上していく。

(取材・文 森田将義)

●高円宮杯プリンスリーグ2024特集
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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