[4.28 関西 U-16 ～Groeien～G1第1節 阪南大高 2-3 近大附高 ダイセル播磨光都第2G]

　関西地域のU-16の年代において、長期にわたるリーグ戦を通して選手の育成および指導者のレベルアップを図ることを目指す「関西U-16 ～Groeien～2024」のG1リーグが4月28日に開幕した。阪南大高(大阪)と近大附高(大阪)の大阪府勢同士が激突。近大附が3-2で逆転勝ちしている。

　昨年度9位の近大附が同2位の阪南大高から開幕白星を挙げた。前半15分、近大附はPAへボールを入れると、阪南大高にミス。こぼれ球にMF金光哲平が素早く反応し、PKを獲得する。このPKを金光が右足で右隅に決め、近大附が先制した。

前半15分、MF金光哲平(左)が右足PKを決め、先制

　阪南大高はすぐに反撃を開始。MF長野晴が左足から繰り出すスルーパスや推進力のある左SB小澤璃玖主将の攻め上がり、MF中村篤仁のドリブル突破などを活用してゴールへ迫る。対する近大附は、松本一倖、谷口大翔の両ストッパーが相手FW陣と競り合い、3バック中央のDF藤川澄生主将が幅広いカバーリング。また、GK興山俊士のファインセーブもあって1-0で試合を進めた。

　だが、阪南大高は25分、長野の左CKを大外の右SB加藤颯太が頭でゴールへ突き刺し、同点に追いついた。さらに45分、再び長野の左CKから、今度は小澤が頭で右隅へ決めて逆転。2-1で前半を終えた。

　近大附の左WB福井健将は今年のチームについて、「チーム力があって、個人個人の能力はそんなに高くないけど、一致団結できる良いチームです」と説明する。この日、ベンチ外のメンバーも帯同していた近大附は、彼らがピッチサイドで大応援。この後押しにピッチの選手たちが応えた。

GK興山俊士がハイボールをキャッチ

　後半、近大附は「『前から行こう』って言ってたんですけど、その守備はあんまりハマらんかったけど、攻守の切り替えのところでボールを奪ったりして、それでどんどんチャンス掴んで、自分たちのリズムを作ることができました」(福井)。阪南大高は個々の技術力が高く、簡単にはボールを奪うことができなかった。それでも、切り替えの速さと運動量、際の強さで相手との差を生み出す。

　後半15分、MF藤木鉄士が右サイドを抜け出し、最後は金光がこの日2点目のゴール。近大附の10番を背負う福井は、球際の強さを見せる一方、武器のドリブルをする回数を増やすことができなかったと反省する。それでも、「走る、戦うっていう場面では最後まで90分間走り切れたので、そこは継続していきたいです」と語ったように、福井をはじめ各選手が自分のできることを徹底。そして、44分、近大附は自陣からロングカウンターで決着をつけた。

　FW川西啓斗のポストプレーからMF浜西愛諒が左サイドを一気に縦へ。ラストパスをMF杉本麟太郎がゴールへ押し込んだ。交代出場の選手たちが係わって決勝点。劇的な白星を飾った。

　福井は「ほんまに気持ちが良い。めっちゃ嬉しいです。相手の方が能力高くて、難しいゲームになると思ったんですけど、僕たちはほんとに一致団結できるチーム力があるんで、そこが勝利に繋がったかなと思います。(1年生チームにとって、関西U-16の)初めての試合ということで、勝てて本当に自分たちの自信になるし、阪南に勝ったっていうプライドも持てるので、 これから大きな力になってくるかなと思います」と胸を張る。

　そして、「3年間の目標はまずグロイエン優勝で全国に行くこと、そして優勝すること。僕の個人の目標としては、(今年、Aチームの)プリンスリーグに関われるような選手になっていくことで、3年になった時は絶対に全国制覇することです」と意気込んだ。今後もチームメートたちと一致団結。成長を続けて目標を達成する。

近大附が開幕戦を白星で飾った

(取材・文　吉田太郎)