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[球蹴男児U-16]兄の後押し受け、徳島から長崎総科大附へ進学。MF一宮優聖が開幕戦でハットトリック達成!

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後半22分、長崎総合科学大附高MF一宮優聖が自身2点目のゴール

[5.3 球蹴男児U-16リーグD2第1節 筑紫台高 1-8 長崎総合科学大附高 大津町運動公園多目的B]

 九州地域のU-16年代において、長期のリーグ戦を通じて選手の育成及び指導者のレベルアップを図る「2024 球蹴男児U-16リーグ」のD2リーグが3日に開幕した。長崎総合科学大附高(長崎)は後半に6得点を挙げるなど、筑紫台高(福岡)に8-1で快勝。1年でのD1リーグ復帰へ好発進した。

 長崎総科大附の指揮を執った村山聡ダイレクターは、「総附の新しい伝統を作ろう」「『総附とやりたくない』、と思われるようなチームになろう」と1年生たちにメッセージ。この日は、筑紫台の前からのディフェンスに苦戦する時間帯もあった。だが、結果は7点差をつけての快勝。インパクト十分の勝利だった。

 中でも、MF一宮優聖(徳島ヴォルティスジュニアユース出身)は3得点の活躍。1-0の前半45+1分にMF久野武のスルーパスで抜け出し、PKを獲得する。「パサーと一緒に連係が上手くできたんで。いい抜け出しだったですけど、もう一歩速く運べとったら、PKじゃなくて確実に点を取れた」と反省。それでも、落ち着いて右足でPKを決め、リードを広げた。

 後半、1点差に迫られ、さらに押し込まれる時間が増加。その悪い流れを断ち切ったのも一宮だった。後半22分、交代出場MF藤井新生の左クロスに対し、対応しようとした筑紫台のGKとDFの連係にわずかな隙。諦めずに走り込んでいた一宮が右足でゴールへ押し込み、2点差とした。

 続く25分、抜群の突破力を見せる藤井の折り返しから、FW竹嶋優が左足ダイレクトでこの日2点目のゴール。さらに27分には、一宮が「FW2人が頑張って流してくれたんで、あとは僕が走り抜いて、点を決めるだけだった」と右足シュートでハットトリックを達成した。

 長崎総科大附はこの後、FW山本優空、CB河野泰良、交代出場MF濱洲廉征も決めて計8得点。また、一宮が「バッグの信頼は大きいです」と評していたように、Aチームのプリンスリーグ九州1部開幕戦で先発デビューしている河野が的確なコーチングと際の強さでチームを引き締め、同開幕戦でベンチ入りのGK伊賀閏之介やCB大曽勇隼も安定した守りで快勝をもたらした。

Aチームのプリンスリーグ九州1部開幕戦から先発出場のCB河野泰良。大きな存在感を放った

 一宮の兄・MF一宮優斗(現びわこ成蹊スポーツ大)は、20年度の長崎総科大附の主将。一宮は徳島ジュニアユースからユースチームへの昇格ではなく、兄と同じ道を選んだ。「一番大きいのは、やっぱお兄ちゃんの存在です。『キツイけど、選手権目指すならあそこはいいし、将来的に体力もつく』と。キツイけど、ついて行ったら将来的にいいかなと思います」。兄の言葉が後押しとなり、長崎の名門へ。相手との駆け引きの巧さや強烈なシュートを武器に上を目指している。

「僕は来る前から、今のトップチームの監督の定方先生を胴上げすることを目標にしてここ来たんで、チーム一丸となって選手権優勝して、定方先生を胴上げしたいです」ときっぱり。1年目からトップチームに加わるために、「この大会(球蹴男児U-16リーグ)で悪いところも良いところに、全部成長できるようにしたいです」。一戦一戦成長を続け、目標に近づく。

後半25分、FW竹嶋優が左足シュートを決め、自身2点目のゴール

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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