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[プリンスリーグ関西1部]対策がハマり、「武器」のサイド攻撃から連発。阪南大高が京都U-18との無敗対決を5-1で制す!

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前半26分、阪南大高がMF福本一太(6番)の先制点を喜ぶ

[5.5 プリンスリーグ 関西1部第5節 阪南大高 5-1 京都U-18 阪南大学高見ノ里G]

 阪南大高が京都U-18に5発勝利! 5日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2024 関西1部で阪南大高(大阪)と京都サンガF.C.U-18(京都)が対戦。ともに今季3勝1分同士の無敗対決は、阪南大高が5-1で快勝した。

 阪南大高は開幕戦でガンバ大阪ユース(大阪)に2-1で逆転勝ち。近江高(滋賀)との第3節こそ1-1で引き分けたが、好スタートを切っている。この日は注目MF福本一太(3年)が「ここはどっちも無敗同士やったんで、『今週は絶対勝とう』って一週間、サンガ対策してたんで、上手くハマったと思います」という内容。ホームで昨季優勝の京都U-18の強みを封じ、サイド攻撃を軸に5ゴールを奪い取った。

 阪南大高は相手のゲームメーカー、MF石本泰雅主将(3年)や今季4戦5発の10番MF立川遼翔(3年)を警戒し、彼らを常に監視。SHの選手も連動して相手のビルドアップに対応する。一方の京都U-18は石本に加え、MF昌山勇(2年)も2列目から低い位置まで下りて攻撃をサポート。ボールを前進させる。だが、阪南大高は全体的に運動量が多く、相手に前へのパワーを出させない。前半途中にボランチからトップ下へ上がった福本の奪い返しから10番FW弓場潤哉(3年)がシュートへ持ち込むなど、好守から素早く攻め切っていた。

 そして前半26分、右中間、ハーフウェーライン付近で前を向いた弓場が、前方のスペースへスルーパス。右SH柏大輝(3年)が一気に抜け出し、マイナスのラストパスを通す。これに走り込んだ福本が、ペナルティーアークから右足ダイレクトでゴールへ叩き込んだ。

前半26分、右サイドで運動量を増やしていたMF柏大輝がスルーパスで抜け出し、先制点をアシスト

 先制した阪南大高は、その後も前から制限をかけてボールを奪い返し、抜群のスピードを持つMF伊藤成康(2年)がドリブルシュート。京都U-18はジャッジの遅れや、ミスもあり、なかなかリズムに乗ることができない。

 それでも、パスのテンポを上げ、徐々に阪南大高を押し下げていく。だが、京都U-18は前半のシュート数が2本と、なかなか攻め切ることができなかった。対して、阪南大高の濱田豪監督は、「前半の最後があまりにも下がり過ぎて、だいぶ(流れを)持っていかれたんで、(前から行くのと、下がるのとでは)『どっちが楽や?』と」と選手たちに説いたという。チームはボールを保持されて走らされるよりも、奪いに行くことを選択。その阪南大高は後半に4得点を挙げた。

 まずは3分、右CKからCB弥榮琉(3年)がヘディングシュート。クロスバーの跳ね返りを伊藤が右足で蹴り込み、2-0とする。さらに8分、敵陣でボールを繋ぎ、柏が右サイドから右足を振り抜く。このこぼれを再び伊藤が決めて3点差とした。

 福本は「『後半の入りからは、ずっと前から行こう』ってチームでハーフタイムに話して入ったんで、それはちょっと改善できたと思います」。また、この日は濱田監督が「急造なんすけどね。ようやっていましたね」と称えたCB弥榮とCB上田蒼太(3年)の両DFが球際のバトルなどで健闘していた。

 彼らを中心に、右SB藤本瞬(3年)と左SB梅原翔久(2年)の4バック、またサポートの動きが光るMF木村宗太郎(3年)、MF野村拓生(3年)の両ボランチも相手選手へのアプローチが深く、ゴール前のカバーリングも徹底されていた。

FWからコンバートされたCB弥榮琉がインターセプト

 大きな隙を見せない阪南大高に対し、京都U-18は10分、右サイドのスペースを活用した崩し。ラストパスを立川が1タッチでゴールネットを揺らすも、オフサイドの判定で追撃できない。15分には3枚替え。右SB三宮稜大(3年)のロングスローやクロスからゴール前のシーンを作るも、決め切ることができず、逆に阪南大高MF柏の仕掛けや右SB藤本のクロスから失点の危機もあった。

 京都U-18は30分、MF松本悠臣(2年)の左CKから立川がヘディングシュートを決め、射程圏内の2点差。その後も左サイドからチャンスを作り出し、相手にプレッシャーをかける。阪南大高はボールロストが増えるなど完全に京都U-18ペースに。だが、阪南大高はGK沖見駿介(3年)らが落ち着いてゴール前のボールに対応するなど2点目を許さない。

 逆に43分、福本が敵陣左中間でターンからシュート。こぼれ球を拾うと、鋭いラストパスを通し、柏がゴールへ押し込んだ。阪南大高は45+5分にも左サイドから仕掛け、MF硲冬真(3年)の折り返しをMF岡田翔太郎(2年)が決めた。福本が「今年のチームはサイドに特長が多い。上手かったり、速かったり、何人もいるんで、それは自分たちの武器ですし、そこから点というのをずっと練習していいる」という強みも発揮。

阪南大高は快勝で無敗をキープした

 阪南大高は無敗対決を制し、2位浮上。ここまでの戦いでは、ボールを保持しながらもシュート精度を欠くところも多かったというが、改善の兆しが出てきている。一方で選手層の厚さや後半の失点など課題も。濱田監督は「悪い時も絶対あるんで、(鍵は)そういうところで超えられるかどうかでしょうか」と語る。

 チームは21年度に夏冬連続で全国大会に出場。だが、過去2年間は全国大会に出場することができていない。福本は「まずプリンス前に全員で共有して、(18年以来となる)プレミア(リーグ)昇格と選手権とインターハイは全国っていう目標を掲げて毎日やってるんで、それは達成しようと思っています。(全国)ベスト4だったり、 全国1位やったり、そういうのを目指して練習していきたいです」。苦しい試合が続いた時でも乗り越える力を身に着け、目標を達成する。
 
(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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