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[全日本ユース選手権]DF越智2発!広島ユースが逆転で6年ぶり日本一!!

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[10.11 全日本ユース(U-18)選手権決勝 広島ユース 2-1 F東京U-18 埼玉]

 サンフレッチェ広島ユース(広島)が高校年代日本一! 高円宮杯第21回全日本ユース(U-18)選手権は11日、埼玉スタジアム2002で決勝を行い、広島ユースと初Vを目指すFC東京U-18(東京)が激突。DF越智翔太の2得点により、広島ユースが2-1で勝ち、6年ぶり2回目の優勝を果たした。

 広島ユースが逆転で日本一に輝いた。「埼スタ決戦」は前半静かな立ち上がり。緊張か、相手を警戒してかF東京U-18特有のハイプレスにキレがなく、かといって広島ユースもパスワークの精度を欠き、ボールをゴール前まで運ぶことができない。
 徐々に試合の流れが傾きだしたのは20分を過ぎてから。F東京U-18がマンツーマン気味にプレッシャーをかけて敵陣でボールを奪いだすと、徹底して行ってきた3バックのサイド後方へボールを運ぶ攻撃が実を結びだす。
 27分には右サイドでボールを受けたFW秋岡活哉が切れ込み、クロスバー直撃の左足シュート。そして29分、自陣からの縦パスで抜け出したMF佐々木陽次が独走すると、GKとの1対1を右足でゴールへと流し込んだ。

 先制したF東京U-18の攻勢はその後も止まらない。34分には左サイドを打開したMF武藤嘉紀のクロスを右MF岩田拓也が決定的なヘディングシュート。これはクロスバーを叩いたものの、劣勢を強いられた広島ユースは得点ランキング首位のエースMF砂川健太郎がなかなか攻撃に絡めず、決定機も作り出すことができなかった。
 それでも前半ロスタイム、突如試合が振り出しに戻る。左コーナー付近から上げられたクロスに対して、ファーサイドでフリーとなった越智が頭でゴール左隅へ押し込み、広島ユースが同点に追いついた。

 これで気が楽になったか、後半は逆に広島ユースのパスがつながり出す。出足の弱まったF東京U-18に対して仕掛ける広島ユースにセカンドボールも転がる回数が増えていった。そして流れのいい時間が続く中、広島ユースは逆転に成功する。
 14分、右CKを獲得した広島ユースはMF野津田岳人のキックからMF浅香健太郎がシュート。こぼれ球を再び越智が左足で押し込み、逆転した。大学受験のため準決勝を欠場していた越智の2ゴール。ここからF東京U-18の怒涛の反撃がスタートするが、守備の要・宗近慧主将を出場停止で欠きながらも、広島ユースは越智やDF脇本晃成らDF陣が懸命の守備で跳ね返していく。

 F東京U-18は29分、途中出場のMF岩木慎也の直接FKがゴールを襲い、35分にはPAで中央へ切れ込んだ秋岡が決定的なシュート。40分には右サイドを破った佐々木の決定的なパスがゴール前へと送られる。ロスタイムにはゴール前のこぼれ球に反応したCB松藤正伸がヘディングシュート。追い詰められた49分には左FKでGK三浦龍輝も前線に上がってゴールを狙ったが、広島ユースの好守を最後まで破ることができなかった。

 そして試合終了のホイッスル。2-1で逃げ切った広島ユースは真っ先に森山佳郎監督がピッチ内へ駆け込み、イレブンたちと抱き合って優勝の喜びを分かち合った。森山監督は試合後のインタビューで「戦術とか何も関係なく男と男の戦い。(選手たちには)何も伝えることはありません。スゴイぞ、オマエらー!!」と雄たけびのような熱い祝福。そして広島ユースによって高円宮杯は埼玉の空へ掲げられた。

(取材・文 吉田太郎)

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