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[全日本ユース選手権]後半ロスタイムの守護神ヘッドも実らず、F東京U-18は冬に雪辱を

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[10.11 全日本ユース(U-18)選手権決勝 広島ユース 2-1 F東京U-18 埼玉]

 「勝ちたい気持ちは昂ぶっていたし、優勝できなかったのは悔しい」。試合後、気丈に記者たちの質問に答えていたFC東京U-18CB松藤正伸主将は、こう口にするとやや視線を下げた。

 広島ユースは今夏の日本クラブユース選手権(U-18)大会で0-2で敗れ、グループリーグ敗退に追い込まれた相手。松藤主将は準決勝終了後「悔しい思いがある。借りを返し優勝したい」と誓っていたが、イレブン全てが同じ思いだった。思いの強さを表現するかのように前半終了間際まで広島ユースにチャンスらしいチャンスをつくらせなかった。

 だが10番MF佐々木陽次のゴールで奪ったリードを失った前半終了間際の失点への落胆は小さくなかった。そして疲れも見え始めた後半14分に逆転を許してしまう。それでも試合終盤に彼らが見せた戦いぶりは感動的ですらあった。32分にGK三浦龍輝が相手MFとの1対1をストップすると、攻撃陣はもちろんSB廣木雄磨が、CBである松藤主将もが何とかゴールにつなげようと歯を食いしばって攻めあがる。動かない身体を必死にムチ打って戦い続けた。

 そして後半ロスタイム、ラストプレーとなった左FKではGK三浦も敵陣PAへ駆け上がった。左FK後の右クロスを頭で合わせたのはその守護神。だが、シュートは無常にもゴール左へと外れてしまった。そして試合終了の笛が鳴り響いた。
 これまで驚異的な勝負強さで勝利をもぎ取ってきたF東京U-18。プリンスリーグ(U-18)関東を9勝2分で制し、今大会も6戦全勝わずか1失点という戦績で決勝へ駒を進めた。プリンスリーグでは残り5分から試合をひっくり返したこともある。そのあきらめない姿勢で広島ユースを脅かし続けた。ただ、クラブユース選手権に続き今回も広島ユースに勝つことはできなかった。

 「選手たちは本当によくやってくれた」と讃えた倉又寿雄監督。この悔しい敗戦は連覇を懸けて臨むJユースカップへの糧とする。リベンジの舞台は冬のクラブユース日本一決定戦。同じ相手に3度負ける訳にはいかない。

(文 吉田太郎)

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