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[プリンスリーグ関西1部]神戸U-18が関西制覇!プレミア参入決定戦へ

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[9・24 高円宮杯プリンスリーグ関西1部第14節 大阪桐蔭高0-2ヴィッセル神戸U-18 J-GREEN堺 S5]

 神戸U-18が関西制覇!高円宮杯U-18サッカーリーグ2011プリンスリーグ関西は24日、1部・2部の最終節を行った。1部では首位のヴィッセル神戸U-18(兵庫)が、FW内田祐介とMF宮村哲朗のゴールにより3位・大阪桐蔭高(大阪)に2-0で勝利。2位・ガンバ大阪ユースとの熾烈な首位争いを制して優勝した。大会MVPはこの日も2点目をアシストしたMF松村亮が受賞。神戸U-18は12月17日に開催されるプレミアリーグ参入戦で九州1位と対戦する。

 プレッシャーを力に変えた。神戸U-18は前節引き分けでも優勝の決まる2位・G大阪ユース戦を1-2で敗戦。勝ち点1差に詰め寄られたチームはこの日、U-18日本代表タイ遠征参加のために10番MF廣田隆治とCB岩波拓也が不在な上にけが人も抱えており、ベストな状況ではなかった。引き分けでも首位から陥落する可能性のあった大阪桐蔭戦。だが主将のCB仲島義貴が「(野田)監督がみんなの前で『勝てたらみんなのおかげ、負けたらオレ(監督自身の)責任』と言ってくれて気持ちが楽になって、また引き締まった。みんな『勝つしかない』となって。一週間いい感じで練習できました」と振り返る神戸U-18は勝つことに集中して“ノルマ”を果たした。

 それでも序盤は「選手権のつもりで一戦必勝」と送り出されていた大阪桐蔭にリズムをつかまれる。相手の逆を突くドリブルで局面を打開するMF俵石直哉とタッチライン際に開いた位置からサイドを突進するFW田中淳一、また鋭い反転で右サイドを突破したFW堀口巧らに押し込まれ、FW丹羽詩温に決定的なヘディングシュートを放たれる場面もあった。

 神戸U-18はMF水町政哉が中盤で前を向けば、そこからチャンスが生まれていたが、シュート精度を欠くなどなかなか攻め切れない。ただ早い時間帯に生まれた先制ゴールが流れを自らへと傾けた。前半37分、神戸U-18はFW小林成豪がキープしながらシュートへ持ち込むと、そのこぼれ球に反応した内田が左足で先制ゴール。ベンチ、選手も「あの1点が大きかった」と振り返る一撃でチームを救った内田は「自分のゴールで雰囲気が変わったと思う。うれしかった」。

 リードを奪ったことで勝利がぐっと近づいた神戸U-18は攻め込まれても仲島、佐古将太の両CBらの好守によって相手アタッカーに仕事をさせない。逆に後半6分には松村のアシストから宮村が優勝をさらに大きく引き寄せる2点目。大阪桐蔭はリスクを負って前に出てきていたが、神戸U-18は安定したセービングを見せるGK杉本康輔らが最後まで追撃ゴールを許さず、勝利を勝ち取った。

 日本クラブユース選手権準優勝の実力を発揮しての優勝。これからは選手の育成に最も力を注ぎながらJユースカップ、そしてプレミアリーグ参入戦での勝利を目指す。神戸U-18の野田知監督は「今までやってきたことを変えるつもりはない。どっしり構えていきたい。そして少しずつ(個人、チームを)レベルアップしていきたい」。静かに優勝を喜んでいた仲島主将は「立ち上がりとフィニッシュの部分が弱い。高めていきたい」と誓っていた。

(取材・文 吉田太郎)

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