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[選手権]森田健作知事を表敬訪問の市立船橋、和泉と積田が日本高校選抜選考合宿へ意欲

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 第90回全国高校サッカー選手権で9年ぶり5回目の優勝を果たした市立船橋の24選手と朝岡隆蔵監督、島田暁史部長、そして竹内英世校長が13日午前、千葉県庁で千葉県の森田健作知事を表敬訪問した。

 数々の映画やテレビドラマなどで活躍してきた森田知事を前に、さすがの日本一メンバーたちも緊張気味。その中、国立競技場で行われた四日市中央工(三重)との決勝(9日)を現地で応援し、優勝をともに喜んでくれた森田知事に対して竹内校長が「力をもらいました」と感謝し、朝岡監督は「多くの方から『感動した』『ありがとう』という言葉を頂きました。(選手権では)市船が市船らしく戦うことができた。今後とも市立船橋高校サッカー部をよろしくお願いします」と挨拶した。

 土壇場からの大逆転劇で日本一を獲得し、千葉県民に勇気と力を与えた選手たちを森田知事は絶賛した。「良かったなぁ!」と第一声を上げた森田知事は、「(決勝は)どちらが勝ってもおかしくない試合だった。まさに皆さんの『絶対に勝つんだ』『あきらめない』というあの気持ちが最後、あの勝利につながったのだと思います。今の気持ちを大事にして『あきらめない』『自分は必ず勝つんだ』という気持ちを持ってこれから素晴らしい青春を送ってください」とエール。そして千葉県のPRマスコットキャラクター「チーバくん」グッズをプレゼントしたほか、優勝メンバーたちと握手して祝福していた。

 チームを代表して「今回このような結果を残すことができたのも千葉県の応援やご協力があったからだと思います。ありがとうございました。あきらめない姿勢やチーム一丸となることの重要さを学ぶことができました。この経験を活かして来年、また後輩たちが国立のピッチに戻ってきて連覇してくれると思うので応援と協力をよろしくお願いします」と挨拶した和泉主将は表敬訪問後、来月中旬に行われる予定の日本高校選抜選考合宿への意気込みを口にした。

 日本高校選抜は高校選手権の優秀選手36名から選考合宿を経て今春、欧州に遠征する。市立船橋からは和泉のほか、GK積田景介、DF米塚雅浩、DF鈴木潤(全て3年)、DF渡辺健斗(2年)、MF磐瀬剛(1年)の計6選手が選出。個人同士の戦いとなる選考合宿も負けるつもりはない。

 特に和泉は選手権終了後には同じく選手権優秀選手で、清水エスパルス入りしたMF白崎凌兵(山梨学院3年、昨年の日本高校選抜メンバー)から電話があり、「中心になって頑張ろう」と話し合ったという。四中工との決勝で後半ロスタイムの同点ゴールと延長後半の勝ち越しゴールを決めて大会の「主役」となった和泉だが、辞退者が出なければFW争いは新潟入りした桐生一FW鈴木武蔵(3年)や清水商FW風間宏矢(3年)、得点王の四日市中央工FW浅野拓磨(2年)らハイレベル。だが和泉は「レベルが高いと思うけれど、中心になってやっていきたい」とメンバー入りし、中軸としてチームを引っ張ることを誓っていた。
 
 昨年は優勝校の滝川二からFW樋口寛規(現清水)ら5選手が高校選抜に入り、海外遠征した。選手権で「あきらめない」「絶対に勝つんだ」という心を持って頂点に立った市立船橋の選手たちも、競争を勝ち抜いて欧州で将来へ向けた貴重な経験をすることができるか。11年U-18日本代表候補の守護神・積田も「絶対に残って海外遠征に行きたい」と気合十分。県知事や千葉県民からの祝福も力にして、3日間の選考合宿で全力でアピールする。

(取材・文 吉田太郎)

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