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清武が強行先発も、C大阪は敵地で6失点大敗しベスト4を逃す

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[9.27 ACL準々決勝第2戦 全北現代6-1C大阪 全州]

 清武、強行出場も……。AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の準々決勝第2戦が28日に行われ、日本勢で唯一勝ち残っているセレッソ大阪は敵地で全北現代(韓国)と対戦した。第1戦を4-3で勝利しているC大阪は、引き分け以上で進出が決まる中、6失点と守備が崩壊し1-6完敗。2戦合計5-9で09年の名古屋以来となる4強進出を逃した。

 C大阪は21日のU-22日本代表マレーシア戦で右足内転筋を挫傷し、全治2週間と診断されたMF清武弘嗣が強行先発。システムは4-5-1でGKはキム・ジンヒョン、DFラインは右から酒本憲幸、茂庭照幸、藤本康太、尾亦弘友希。ダブルボランチは扇原貴宏とキム・ボギョンが組み、2列目は右に清武、左に倉田秋、トップ下にファビオ・ロペスが入った。1トップは播戸竜二が務めた。

 全北現代はエースのFWイ・ドングッを1トップに据え、2列目にMFルイスやMFエニンヨのテクニシャンを並べた。全北現代は先週末のリーグ戦でイ・ドングッら主力を温存し、万全の状態で挑んできた。さらに、ホームでの公式戦を14勝3分2敗と圧倒的な勝率を残しており、C大阪にとっては“ホームの利”を警戒しなければいけなかった。

 そんな中、立ち上がりにC大阪をアクシデントが襲った。開始8分、司令塔のキム・ボギョンがDFチェ・チョルスンの競り合いの際、頭が鼻を直撃。鼻骨が折れたのか大量出血し、そのまま同14分にMF中後雅喜と交代となった。キム・ボギョンがピッチ外で治療していた前半13分、C大阪はピンチを迎えた。FKからヘディングでゴールを許したが、幸いにもオフサイド。C大阪にとってはありがたい判定となった。

 中盤でボールを配給する大黒柱が不在となり、ただでさえ、相手の激しい守備に苦しんでいたC大阪は、ますます得意の攻撃面でリズムが掴めない。全北現代は縦への速い攻撃を仕掛けてC大阪を押し込んだ。

 それでも前半19分、好調の播戸が見せ場を作る。左サイドで得たFKで、尾亦の低いキックにPA内左に走り込み、左足でダイレクトシュート。惜しくもGKに弾かれたが、思い切りの良さを見せた。しかし、それでも相手から流れを奪うことはできない。

 前半31分、C大阪は中央を崩され、痛い痛い先制点を許した。ゴール正面やや左をルイスにパワフルなドリブルで突破されスルーパスを通される。これをエニンヨに決められた。これで2戦合計4-4となり、このまま終わればアウェーゴール数が3の全北現代がベスト4進出という状況となった。

 C大阪は清武、ファビオ、倉田の自慢の攻撃的MFを活かして攻め込みたいところだったが、セカンドボールを思うように拾えず、いい形が作れない。前半は見せ場をあまり作れないまま、C大阪は0-1で折り返すことになった。

 後半、何とか早い時間帯に同点に追い付きたいC大阪だが、開始1分、いきなりピンチを迎える。ルイスに中央を突破され、PA内にパスを通される。最後はイ・ドングッに押し込まれかけたが、これはGKキムがファイトあふれるセーブで食い止めた。

 しかし後半4分、C大阪は痛恨の2失点目を喫した。CKのピンチで、長身のイ・ドングッにニアサイドに飛び込まれ、ヘディングシュートを許した。これでより一層、全北現代が勢いに乗る。同8分にはC大阪ゴール前で全北現代がボールを奪い、中央のイ・ドングッへ。GKキムが飛び出していたゴールにシュートを打たれたが、これは藤本が何とかゴールライン上でブロックした。

 何とか盛り返したいC大阪だが、後半10分に0-3となるダメ押し弾を決められた。ゴール正面付近でイ・ドングッが低い弾道のミドルシュート。GKキムの手を弾き、ゴールネットに突き刺さった。C大阪は後半15分、中後に代えてFW小松塁を投入。前線を播戸との2トップにし、中盤を扇原のワンボランチにして攻撃を厚くしようと試みた。

 しかし、C大阪はまたしても失点してしまう。後半19分、イ・ドングッにクロスから左ボレーを打たれ、これが茂庭をかすめてコースが変わり、GKキムはセーブできず。警戒していたはずのエースにハットトリックを許し、0-4と大きく突き放されてしまった。

 後半22分、C大阪は清武に代えてMF大竹洋平を投入。この交代が効いたのか、同27分、C大阪が1点を返した。ファビオ・ロペスがドリブルで中央を仕掛けて左足でスルーパス。これに小松塁が反応し右足一閃。きっちりと決めて1-4とした。

 C大阪は3-4なら2戦合計7-7のうえ、アウェーゴール数も同じになるため延長に持ち込むことができる。しかし、その後も守備陣が踏ん張れない。後半31分、エニヨンにPA内進入を許し、最後はこぼれ球を途中出場のMFキム・ドンチャンに頭で押し込まれ、1-5と再び突き放されてしまった。

 その後、C大阪は播戸ら2トップにボールを入れて仕掛けようとするが、うまくいかない。全北現代も最後まで積極的かつ激しい守備を見せ、C大阪は自由を与えてもらえなかった。ロスタイムは4分。後半46分、茂庭がゴール前でクリアをミスし、これをイ・ドングッに決められ6失点目……。試合はそのまま1-6でC大阪が敗戦。2戦合計でも5-9で4強進出を逃した。

[写真]悔しさを噛み締める播戸竜二。相手の激しさに屈してしまった


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