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エスクデロが「一番得意のお腹」で決勝弾も浮かれず、「忘れちゃいけない。大宮戦に全てをぶつける」

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[10.9 ナビスコ杯準決勝 浦和2-1G大阪 埼玉]

 『セルヒオ・コール』も埼玉スタジアムに響き渡った。梅崎だけじゃない。この男も浦和レッズの7年ぶりの決勝進出に大きく貢献した。FWエスクデロ・セルヒオが1ゴール1起点の活躍を見せた。

「邪魔したかな。当たったのは、お腹です。一番、得意な場所なので。完全に俺のゴールです」

 エスクデロは笑みを浮かべながら振り返った。1-0の前半38分、PA左でMF梅崎司が右足ミドルを放った。ゴールエリア左付近でエスクデロのお腹に当たりコースが変わり、ゴールイン。場内アナウンスでは梅崎のゴールと読み上げられたが、その後にエスクデロのゴールと訂正された。結果的にこれが決勝点となった。

 この日は5日のナビスコ杯準々決勝C大阪戦に続いて先発。2トップの一角に入り、序盤から積極的な姿勢を見せた。得意のドリブルでガンガン攻め込んだ。前半7分には強引な突破からシュートまで持って行き、前半21分には梅崎の先制点を導いた。右サイドでパスを受けたデスポトビッチがドリブルでPA右まで運び、中央のエスクデロへ。ワントラップから強烈な右足シュートを放つと、これはGK藤ヶ谷陽介に弾かれたが、梅崎のゴールに繋がった。

「セレッソ戦と同じような気持ちでできた。監督がセレッソ戦のような試合をすれば勝てると言っていたけど、ピッチで表現できてよかった」とエスクデロ。例年、怪我が多く、今季もここまでリーグ戦15試合1得点と思うような結果が出せていないが、少しずつ調子を上げ、7月30日の川崎F戦以来、今季公式戦2得点を決めた。

 1ゴール1起点の活躍のほか、シュート数も梅崎の8本に次ぐ5本を打つなど奮闘したエスクデロ。しかし、まったくもって浮かれた様子はない。「前半も後半も良いプレーができたけど、ただ、忘れちゃいけない。これはナビスコカップ。リーグ戦が一番大事。天皇杯(12日・宮崎産業経営大)も勝って3連勝して、リーグの大宮戦ですべてを見せたい」と力を込めた。

 たしかに、リーグ戦は勝ち点29の15位に低迷している。降格圏の16位・甲府とは同2差で、追い込まれている。Jリーグ再開後の最初の試合となる15日には、勝ち点3差で14位の大宮とホームで戦う。J1残留のためには負けられない試合で、祝福ムードの中であえて“警笛”を鳴らした形だ。「大宮戦に全てをぶつける」と締めくくったエスクデロの表情は、最後まで緩むことはなかった。 

(取材・文 近藤安弘)

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