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G大阪は自慢の攻撃が封じられ、前半はシュート0。橋本「今日はつなぎの形が良くなかった」

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[10.9 ナビスコ杯準決勝 浦和2-1G大阪 埼玉]

 ガンバ大阪は優勝した2007年以来4年ぶりの決勝進出を逃した。MF遠藤保仁やFWイ・グノを欠いた影響か、得意の攻撃がうまくいかなかった。0-2の後半ロスタイムに途中出場のFW大塚翔平が1点を返したが、時すでに遅し。大塚は「チームを勝利に導きたかった。でも負けたので何も無いです。もっと早い時間帯に取れていたら、追いつけていたと思う」と悔しそうだった。

 西野朗監督が「前半、自分たちのリズムでゲームを進められなかった。レッズの良さも感じるが、自分たちのアクションサッカーが見られなかった。単調な攻めで自分たちから仕掛けることができなかった」と会見で振り返ったが、持ち味のパスサッカー、そして看板とも言えるラフィーニャら強力FWにボールがいい形で入らなかった。

 前半のシュート数は0本。指揮官は「多少のプレスでもボールを動かしてポゼッションをしていくことを前半の中盤から伝えていたが、中盤のボックスの4人の距離間が少し悪かったし、ラフィーニャが最近ボールが収まらない。横のポゼッションはできても縦を使ったポゼッションはなかなかできない。アタッキングサードにほとんど行けなかった前半だった」と分析したが、まさかの展開だった。

 後半は右SBの高木和道に代えてFWの大塚を投入。右SBにはボランチの武井択也を据えて中盤をダイヤモンドに変更。トップ下に二川孝広、右MFに佐々木勇人、左MFにアフォンソ、アンカーに橋本英郎を据え、少し流れが良くなった。シュートも9本放った。とはいえ、浦和の半分(前半11、後半7)だった。橋本は「今日はつなぎの形が良くなかった。前半のうちか、後半の早い時間に1点を返せていれば……」と悔やんだ。

 縦パスが少なかったと嘆いた指揮官だったが、それはすなわち、パサーの遠藤不在が、いかいに大きく影響したかを物語っている。会見で遠藤不在について問われると、「遠藤なら多少のプレスでも、横ではなく縦に優先順位が取れる選手であることは間違いない」と認めつつも、「同じポジションの選手、全体的にも同じ共通理解を持ったうえでゲームを進めていくことがガンバでは必要。欠けたからできないというのは、日本代表でも言われていますけど、同じコンセプトでゲームを進めるのであれば、そうであってはいけない」と“遠藤頼み”からの脱却の重要性を説いた。

 残念ながらナビスコ杯は終了したが、首位を走るリーグ戦、そして天皇杯とまだ2冠を狙える位置にいる。そこでは遠藤もイ・グノも帰ってくる。2人に頼ってはダメだが、この日戦った選手たちは、この悔しさをリーグ戦と天皇杯にぶつける。

(取材・文 近藤安弘)


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