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[大学MOM_15]駒澤大DF中山友規主将(4年)_王者ストップも満足せず

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[大学マン・オブ・ザ・マッチ]

[5.8 関東大学サッカー1部第6節 流通経済大 1-1 駒澤大 西が丘]
 
 開幕6連勝を狙った王者・流通経済大の前に全日本大学選抜のCBが立ちはだかった。1-1で突入した後半のシュート数は実に1-11。それでも駒澤大DF中山友規主将(4年=駒澤大学高)を中心とした駒大守備陣はゴール前で集中を切らさずに流経大の攻撃を根気強く跳ね返していた。中でも背番号4のCBは、中央から繰り返し仕掛けてくる相手の攻撃に体を投げ出し、クロスボールを打点の高いヘッドで跳ね返す。そして、カウンターから左サイドを独走と攻守に躍動した闘将・中山を駒大・秋田浩一監督はこの試合のマン・オブ・ザ・マッチに推していた。

 ここまで1勝1分3敗に終わっていた駒大が、退場者を出しながらも王者の連勝を止める大きな勝ち点1獲得。だが、試合後の中山主将はやや不満げだった。「勝てる試合だったと思う。失点シーンは自分がはっきりとしたクリアをしていれば防げた。攻撃も決定機を決めていれば勝てた試合。もう少しひとりひとりが意識を高く持たないと」と首を傾げた。

 04年度から06年度まで全日本大学選手権3連覇を果たした「常勝軍団」駒大が昨年はまさかのリーグ8位。主将は「不甲斐ない結果だった。自分が出て負けた試合も何試合もある。駒大サッカーを徹底的に追及したい」という思いで今シーズンにかけている。だが、ここまでの成績は12チーム中10位と最悪のもの。流経大戦も相手の全勝を止めた満足感よりも勝てなかったことが悔しかった。だからこそ「もっとチームを鼓舞する」と強く誓っていた。

 駒澤大学高(東京)時代はチームでの全国大会出場経験がない中山だが、すでにJ1京都へ練習参加するなどJ数クラブが注目している。「自分の武器は高さです」と言い切る、185cmの長身を生かしたヘッドは強力な武器。駒大・秋田監督は「試合の流れを読めたりすればもっとよくなる」とさらなる成長を期待する。そのCBはJ入りを控えた大学最終年の今年、かつてFW巻誠一郎(現千葉)らを擁して白星を重ねてきた「戦う集団」の先頭に立って、自らのプレーで引っ張っていくつもりだ。「自分がやらなければならない。それで選手たちを引っ張ること。まず自分が手本になる選手になりたい」と中山。名門復活を期す駒大の闘将は貪欲な姿勢で勝利を目指す。

(取材・文 吉田太郎)

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