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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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外から日本を見ると、改めて何が足りないのか見えてくる
by セルジオ越後

 2月、テレビ番組のロケで日本代表のワールドカップのキャンプ地であるイトゥの施設を見たり、友人リベリーノやドゥンガのインタビューのためにブラジルへ行ってきた。まだワールドカップグッズが街に溢れたりはしていなくて、ブラジルはお祭り気分ではなかった。でもサッカーどころというのはイベントへ向けて自然と盛り上がってくるもの。ワールドカップの時には凄い熱気になっているだろうね。

 日本のキャンプ地の宿舎はまだ建設中だった。イトゥは小さな街だ。でも今、1泊1万円もしないのに、ワールドカップ期間はお祭りとはいえ5倍の1泊5万円。ブラジルでは飛行機の料金も3倍になるという。普段国内リーグくらいで、初めて大きなイベントをする地域や街もある。ホテルの少ないところは本当に予約することが難しいし、16年のオリンピックに行かない人も増えていると聞いた。そこは心配な点だ。

 ブラジルへ行ったときに驚いたことは、ブラジル人はフォルランが日本に来たことを知らないということだ。ドゥンガとも話したけれど、フォルランが日本に行ったことはほとんど知られていないという。ジーコやブラジルのトップ選手がJリーグでプレーしていたバブルの時代と違って今はJリーグのニュースが入ってこない。ヨーロッパの情報は分かっているけれど、ブラジル人にとって今のJリーグを取材してもメリットがない。だから日本だけじゃなくて、アジアのサッカーニュースは入ってきていなかった。外から日本を見ると、改めて何が足りないのか見えてくるね。

 彼らはJリーグのことは知らないようだけど、ただブラジルでどこがワールドカップのグループCを突破するかと聞いたら、日本とギリシャという答えが多かったね。もしかしたら、コロンビアやコートジボワールの関係者には別の答えをしていたかもしれない。ただし、昨年のコンフェデでイタリアが暑さで参ってしまったように、日本がちゃんと準備して蒸し暑いブラジルにフィットしたらチャンスはある。気候への対応、準備が大切。ほかのグループも含めて90分間走れるチームがグループリーグを突破できるはずだ。

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