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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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この時期にJリーグを見ないということは、代表候補キャンプの3日間でダメだということが見えたのか
by セルジオ越後

 今年のJリーグで今のところサプライズと言えるのは神戸。マルキーニョス、ペドロ・ジュニオール、シンプリシオ、チョン・ウヨンと新加入の外国人が当たった。ただ、昨年同様に飛び抜けて強いというクラブは今年も見当たらない状況だ。ACLに出場しているクラブは今年も苦しんでいるね。広島は首位争いに絡んでいるけれど、川崎Fとセレッソが少し出遅れているし、横浜FMの出足の悪さにもACLのスケジュールは関係しているだろう。J2から上がってきたガンバはもうひとつで以前のガンバに戻っていない。フォルランが加入したセレッソも期待通りにいっていない。毎年言っていることだけど、誰かが抜けたところに誰が入っているだけで、今年も選手の顔ぶれは昨年とあまり変わっていない。“回転寿司”のまま。抜け出して名門クラブになるためにはある程度財政面も必要だ。

 今のところ、浦和や鳥栖も上位にいるけれど、今年も外国人がいいか悪いかで順位が大きく変わってくるクラブがあるのは間違いない。神戸やダヴィがポイントになっている鹿島と外国人が当たったクラブはやはり上位にいる。一方で柏は外国人がフィットしていなくて遅れているし、名古屋やFC東京は監督が変わっただけではいきなりチームは変わらないことが示されている。

 特にセレッソは期待が大きかったけれど、観客動員以外では期待に応えているとは言えないだろう。監督が代わって上手くいっていないし、シンプリシオを残さなかったのは強化の人たちの見る目がなかったと思う。そして柿谷は昨年に比べたら明らかに違う。ワールドカップのメンバー争いでサバイバルにいる大久保や豊田は点を取っているのに、この間の代表候補キャンプに呼ばれなくてメンバー入りが決まったと言われている柿谷のプレーが怖くない。遠藤にしても期待されるほどの数字は出ていないんじゃないか。ワールドカップでコンディションが上がっているのならいいけれど、“当確組”のJリーグのパフォーマンスを見る限りは心配だ。

 本当ならば、ワールドカップのメンバー争いでもっと盛り上がっていいはずなのに、4月、5月とJリーグはどこか盛り上がりに欠けている。ゴールデンウィークにこの選手、このチームが見たいというところの盛り上がりがマスコミにもない。そして一番Jリーグを見ないといけない人がまたヨーロッパに帰ってしまっている。この時期にJリーグを見ないということは、ザッケローニ監督は代表候補キャンプの3日間でダメだということが見えたのかな。Jリーグでここから誰が頑張るかということよりも、もう5月12日に誰が選ばれるかの方が楽しみだね。

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