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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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香川、チャンスはもらったので、まずは巻き返さないといけない
by セルジオ越後

 14-15年シーズンのヨーロッパ―サッカーが開幕して1、2か月が経った。日本人選手では今年も相変わらず、岡崎がいいスタートを切った。リーグ戦5試合で5ゴール。本田も2試合連続で得点したり、アシストをしたりしている。ミランは昨年に比べてべらぼうに強くなっている訳ではない。ただ、フランス代表のメネスや彼がチームを引っ張っている印象だ。長友は昨年ほどのインパクトはまだない。あとの選手はなかなかニュースにならないね。

 問題は香川だ。いいスタートを切ったけれど、まだまだ調子は良くないと思う。マンチェスター・ユナイテッドで失敗してドルトムントに戻ったけれど、今回の移籍は最初に行ったときほど甘くはないよ。前の実績があって歓迎されているけれど、活躍しなかったら『ダメだ』となる。心配なのは、信頼している仲間に裏切られる可能性もあるということだ。成績を残せなかったら、メンタル面で立ち直れなくなる心配がある。チーム状況だって前いた時とは違う。その中で以前と同じような活躍をしなければならない。ここで失敗したらマンチェスターでもダメ、ドルトムントでもダメというレッテルを張られる。チャンスはもらったので、まずは巻き返さないといけない。香川と本田が頑張ってくれなかったら、メディアが食いつかない。サッカー界のAKBの2人に頑張ってもらわないとマズイよ。

 今回の移籍を見て再確認できたことは日本人の評価はまだまだ高くないということだ。日本では日本人選手がまるでチームのエースやスター選手かのように報道しているけれど、実際はそうではない。もしもミランやマンチェスター・ユナイテッドで活躍したら、他のビッグクラブからのオファーが来る。でも日本人は“売りにくい”。香川は苦労したし、ほかの選手もなかなか次に進むことができない。でも、テベス、ディ・マリアのように活躍している人だったらすぐに“売れる”。そこで日本人選手の本当の評価がバレてしまう。スーパーじゃない日本は特典をつけなかったら買ってもらえないのが現実だ。

 3年前、ドルトムントは香川で勝っているような報道をしたけれど、実際はレバンドフスキの方が貢献度は大きかったと思う。日本人よりも遥かに違う外国人の方が活躍している。日本ではまるで日本人選手が世界トップにいるような扱いをされているけれど、現実は違う。大迫も苦労しているし、原口も困っている。清武も、乾もなかなか上に上がってこられない。これが現実。野球のマー君(田中将大)やダルビッシュのように報道と結果が一致するように。香川、本田、ほかの選手も現地で正しい評価を獲得する活躍を見せてほしい。

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