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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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調子に乗っていた時にいい目覚めになった
by セルジオ越後

 日本代表はワールドカップ予選の最初の試合で引き分け。新しい監督が来たからと言って日本代表がいきなり変わるものではない。急に化けることはないよ。

 シンガポールの監督は日本の弱点が分かっていた。引けば縦のスピードがなくなる。混戦の中での日本の決定力はほとんどなかったし、相手はボール際で献身的に戦って日本にボールを持たせないようにしていた。前に戦ったイラクのようにやる気のない相手だったら簡単に裏を取れるけれど。草サッカーでもそれじゃダメだと思うほど、ハリルホジッチ監督の縦のスピードの速いサッカーは裏目に出た。サポーターは試合後にブーイングしてくれていたけれど、もう途中で帰っても良かったようなそれ位の試合内容だった。

 日本の選手たちは言われたことしかできない。厳しい監督に怒られないようにやっているようだった。自分で判断して取られてもいいからワンツーで割って行ったり、ミドルシュートを打ったりしないと選手自身のアイディアが必要だ。特に代表選手なんだから自分でもっとやらないといけない。

 ハリルホジッチ監督も調子に乗っていた時にいい目覚めになったんじゃないかな。みんな錯覚したんじゃない? 彼はマジシャンじゃない。イラクとの試合で絶賛していた人はみんな黙ってしまった。相手が引いた時にどうするか見えなかった。また選手選考でも200試合見ているというけれど、呼ぶ価値のない選手もいた。逆に結果を出しているレッズの武藤選手などを呼んでいない。そういった点など矛盾しているところもあった。

 こんなスタートを切っておきながら、評論家は協会にビビッてしまってドンマイドンマイ。ダメな時はハッキリ言わないとどうにもならないよ。イラク戦なんて長友が怪我して損しただけ。興行のやりすぎで強くなっていないことに皆んないつ気づくのか。強化は厳しい試合をしなかったら成長しないし強化にならないよ。このあと、カンボジアが来て大勝して、またメディアたちがはしゃいでしまったら、シンガポール戦で学んだことが何も残らないよ。

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