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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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ACLで敗退して親会社はどう思っているのか?
by セルジオ越後

一方的な試合ではなかった。広州恒大は引いて守るだけじゃなく、シュート数も多かった。でもガンバ大阪は勝負をかけた後半に1点を取ることができなくて引き分け。2試合合計スコアでACLの決勝へ進むことができなかった。

 日本のチームはまた中国のチームに負けてしまった。現在、サッカーに対して国レベルで取り組んでいる中国に日本、韓国は押されていまっている。今年もそれを止めることができなかった。リーグの勢いの差が大きい。Jリーグが始まった時の勢いが今の中国にはある。世界的な選手や監督を引っ張ってきてリーグのレベルを上げて、注目度も上げた。

 一方で、日本のサッカーは企業の経営不振が重くのしかかって、世界的な選手を引っ張って来ることができない。確かに黄金世代のJリーグは世界的な選手が集まっていた。でも現在同じような選手は全く集まらず、日本の選手ですら出ていってしまう時代だ。選手が魅力を感じないリーグにはスポンサーも魅力を感じないだろう。

 ACLで敗退して親会社はどう思っているのか? クラブも、スポンサーも負けたからと言ってどうも感じていないんじゃないかな。クラブもスポンサーもアジアで勝って、世界を目指そうと本気で考えているのか。チームが負けても国内のスケジュールをこなせばいい。現在の予算の中で最低限やって行ければいい。最悪、国内でやっていれば放映権とか入るから、と落ち着いてしまっているように見える。

今年は清水もJ2降格が決まった。トップ争っていたチームがJ1からどんどん消えていっている。一度J2に落ちて予算が削られるとその予算は戻ってこない。すると、J1のトップを争うのは難しくなってしまう。そういうクラブが増えてくると必然的にレベルも落ちてしまう。

今の中国のクラブがそうだけど、いいキャスティングをしているクラブはお金があるクラブ。昔のJリーグとの共通点はお金があることだ。魅力あるクラブ、リーグをつくっていかなければいけない。今、いくつかのJ1クラブのサテライトをJ3に参加させることがニュースになっている。それも大事なことかもしれないけれど、トップチームがアジアや世界で勝てるチームにすることを目指してほしい。今楽しみなのはガンバ。新スタジアムに相応しいスター軍団をつくれるか、注目している。

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