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浦和デビューで即ゴール決めたクラブ初のタイ人MFエカニット・パンヤ「Jリーグに通用するかは自分の見せどころ」

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MFエカニット・パンヤ

[10.4 ACLグループJ第2節 浦和 6-0 ハノイ 埼玉]

 浦和レッズ初のタイ人プレーヤーがデビュー戦でゴールを決めた。MFエカニット・パンヤは後半28分に途中出場でデビューを飾ると、同40分に初得点。「クラブ、コーチ、監督がチャンスを与えてくれたことでとてもいい経験になった。結果も残せたことは今後にもつながる。本当にうれしかった」と振り返った。

 今夏、ムアントン・ユナイテッドから期限付き移籍で加入した23歳のタイ人。タイでは名字で呼ぶ文化がないため、エカニットまたは愛称の“ブック”で呼ばれているという。ここまで公式戦での出場がなかったが、今節で待望のデビューを飾る。後半28分からともに途中出場となったFW興梠慎三と前線に立つと、高いキック精度でチャンスを作っていく。そして、同40分にはゴールネットを揺らした。

 その記念すべき場面は左サイドから始まった。DF大畑歩夢のインターセプトから前線の興梠が収め、再び大畑がボールを持ってPA左に入り込む。渾身の左足シュートは相手GKにセーブされると、こぼれ球がPA中央のエカニットのもとへ。「流れの中でこぼれてくるかもしれないということは頭にあった。ボールが来たときには無心で振りました」。ダイレクトで右足シュートを放ち、ゴール右隅に突き刺した。

 これが浦和でのデビュー戦となったが、ACLはチェンライ・ユナイテッド所属時にも2度出場経験があるという。さらに、その2試合ともに得点を決めており、今回で3試合連続ゴール。実はACLで結果を残し続けていた。

 7月下旬に加入して、デビューまでは約2か月かかった。それでも、エカニットは「思ったとおりかもしれない」と自身が考えていたタイミング通りだったという。「タイリーグとJリーグの強度の部分で、Jリーグのほうが強度は高い。その強度に合わせるところで、今後Jリーグに通用するのか。自分の見せどころだと思う。一つひとつ合わせていきたい」とさらなる躍進を誓った。

 Jリーグで戦う上で、参考にしているのは元Jリーガーのチャナティップ(現パトゥム・ユナイテッド)。また、北海道コンサドーレ札幌のMFスパチョークからのアドバイスも明かす。

「なかなかチャンスはもらえないかもしれない。だけど、日々の練習の中で一生懸命やってみせれば、チャンスが来たときに思いっきり自分らしいプレーで思いっきり蹴っていけば、そのチャンスは掴める。何かひとつでも残せる。思いっきりやってくれとアドバイスを受けた」

 埼玉スタジアムに駆け付けたサポーターにも感動しており、「雨の中でもサポーターが足を運んでくれたこと、スタジアムの雰囲気を作ってくれたことが、僕たちにとってすごく力になった。きょうの勝ち点3、6ゴールをサポーターにプレゼントしたい」と感謝。趣味はデパート歩きだという23歳のタイ代表MFが、新たな戦力として本格的に加わった。

(取材・文 石川祐介)
●ACL2023-24特設ページ
石川祐介
Text by 石川祐介

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