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ACL“政治的”胸像問題で厳罰…試合中止招いたセパハンに0-3敗戦扱い&罰金3000万円

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試合前のナグシェ・バハン・スタジアム

 アジアサッカー連盟(AFC)は2日、試合直前に中止となったAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループリーグ第2戦のセパハン(イラン)対アルイテハド(サウジアラビア)を没収試合とし、セパハンの0-3敗戦とすることを発表した。規律倫理委員会が1日付で決定した。

 イラン・イスファハーンで10月2日に行われる予定だったセパハン対アルイテハド戦では試合前、イスラム革命防衛隊の司令官を務めた故カセム・ソレイマニ氏の胸像がメインスタンド前に設置されており、これに抗議したアルイテハド側が試合前に撤去を求めたが、応じられず、試合開催を拒否していた。

 サウジアラビアはイランと長年にわたって緊張関係にあり、2016年から断絶していた国交が今年春に回復したばかり。これに伴い、近年中立地で行われていた両国同士の対戦もホーム&アウェーで行われるようになった矢先の出来事だった。試合中止直後、セパハン側は「アルイテハドの要請はスポーツの慣習を逸脱し、一般的な原則に反するものだ」と徹底抗戦の構えを見せていたが、AFC側からは厳罰が下される形となった。

 AFC規律倫理委員会は今回のセパハン側の対応について「フィールドの周りに軍事、政治的な胸像を設置し、宗教、軍事、政治的なバナーをスタジアムで見せた」「試合中止につながるような不安で、不安定な雰囲気をスタジアムにもたらした」「政治的中立に振る舞わなかった」「AFC、ACL、アジアサッカー界の名声を毀損した」と結論。この一戦をセパハンの0-3の敗戦として処理することを決めた。

 またセパハンには20万ドル(約3000万円)の罰金と、本拠地ナグシェ・バハン・スタジアムでの3試合使用禁止処分も課された。なお、使用禁止処分3試合のうち3試合目は今後3年間、執行が猶予されるという。さらにAFCはセパハンに対し、AFC主催試合では関連の胸像を無期限で撤去するよう警告し、再び違反をした場合はさらなる処分を下すと示唆している。
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ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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