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ユース取材ライター陣が推薦する「クラセン注目の11傑」vol.3

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川端記者が注目するMF鈴木大馳(サガン鳥栖U-18、2年)

 ゲキサカでは7月23日に開幕する夏のクラブユースチーム日本一を懸けた戦い、第47回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の注目プレーヤーを大特集! 「クラセン注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター各氏に紹介してもらいます。第3回はサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長で育成年代からJリーグまで幅広く取材する川端暁彦記者による11名です。

 川端記者「日本クラブユース選手権(U-18)が23日から群馬の地で開幕します。今年11月にはU-17ワールドカップがインドネシアの地で開催されることもあり、下級生により注目してみようという趣旨で、1・2年生から11名をピックアップしてみました。AFC U17アジアカップのメンバーには入らなかった選手たちから面白い可能性を秘めたタレント10名を選出しつつ、『+1枠』としてアジアカップメンバーからも一人だけ選んでみました」

以下、川端記者が推薦する11名。

GK荒木琉偉(ガンバ大阪ユース、1年)
「ポテンシャルは一番」とU-17日本代表・森山佳郎監督も太鼓判を推す1年生GKは今年G大阪ユースでタフなポジション争いを演じつつ、U-16日本代表の守護神としても活躍。AFC U17アジアカップでは第3GKとして23名で唯一1試合もプレーできず、『クラブユース選手権で絶対にアピールしたい』と誓った」

DF島佑成(ヴィッセル神戸U-18、1年)
今年の高円宮杯プレミアリーグWESTでは、ここまで11試合990分プレー。つまり1年生ながら全試合フル出場を果たしている。「攻撃には自信がある」と語る高い技術を持ったレフティーだが、上級生とのマッチアップを通じて守備でも自信を掴み、大きなブレイクスルーを遂げつつある。

DF山中大輝(川崎フロンターレU-18、2年)
CBでコンビを組むDF土屋櫂大はU-17日本代表の常連であり、主力CBの一人。ただ、試合を観に行く者は、その隣でプレーするCBの安定したプレーにも自然と目を奪われることだろう。決して派手なタイプではないが、ボールを持ってのプレーを含め、確かな質を持った好選手だ。

MF長田叶羽(ガンバ大阪ユース、2年)
広い視野と素早い判断が光る育成の名門が誇るパスマスター。U-16日本代表ではキャプテンマークを託されたことでもわかるようにコーチング能力も高く、中盤の指揮官として振る舞える。課題は得点に絡む実効的なプレー。中盤から前線へと顔を出し、全国舞台で結果を出せるか注目。

MF川崎幹大(北海道コンサドーレ札幌U-18、1年)
独特なセンスと左足キックの質の高さが光る道産子ボランチ。中盤からボールを持ち出してのラストパス、あるいはミドルシュートなど豊富な引き出しを持つ。まだまだ粗削りな部分も多いが、守備に絡む意識も高い。真夏の群馬という過酷な環境で本来の質で魅せられるか。

MFエレハク有夢路(セレッソ大阪U-18、2年)
昨年は1年生ながら先発を張って夏のクラブユースを走り抜けた。その後は難しい時期も長く過ごすことになっていたが、プリンスリーグ関西でも結果を出すなど「夏のエレハク」の片鱗は見せつつある。連覇の懸かる大会で、再びその左足が火を噴くことになるだろうか。楽しみにしたい。

MF鈴木大馳(サガン鳥栖U-18、2年)
ルヴァン杯・横浜FM戦でプロデビュー戦にして初ゴール。DFエドゥアルドをかわしてのシュートを見事に流し込んでみせた。本職はバリバリのセンターFWだが、あえて一列下がった位置で使われる、FC東京FW熊田直紀のユース時代を彷彿とさせる起用法でプレーの幅も広げている。

FW徳田誉(鹿島アントラーズユース、2年)
「痛い。代わりはいないよ」。U-17日本代表を負傷で辞退した徳田について当時、森山佳郎監督はそう語っていた。日本では珍しいパワフルで豪胆なストライカーの代わりはいないのだから、無理に誰かを当てはめないという判断だったが、逆に言えば稀少なタレント。「世界」に向けて再起動する大会となるか。

FW前田勘太朗(横浜FCユース、1年)
U-17日本代表の国内で行われた直前合宿、「めちゃくちゃ元気だった」と森山監督が笑って評したのはトレーニングパートナーとして参加した前田だった。何かを見せてやろうという意思を感じる意欲満点のプレーぶり。元よりセンスは抜群なだけに、期する思いがあるだろう今大会での爆発にも期待がかかる。

FW神代慶人(ロアッソ熊本U-18、1年)
道脇豊というスーパーエースが一足先に“卒業”してしまった形の熊本U-18だが、次代の看板選手候補はすでにいる。U-16日本代表でも際立った鋭い動き出しと果敢なゴールへのアプローチはJユース列強の経験豊富なDFたちにも通用するはずだ。

FW尾谷ディヴァインチネドゥ(FC東京U-18、1年)
今回は紹介する中では一番の粗削り枠だろう。ただ、FC東京U-18の控え組の紅白戦を観ていても、明らかに“持っている”モノがある選手だ。今年のプレミアリーグEASTでは11節のうち8試合・累計188分に出場。前橋育英高戦ではヘディングで1得点も記録。まだ夜明け前ながら、秘めてる可能性は十二分だ。

執筆者紹介:川端暁彦
 サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長。2004年の『エル・ゴラッソ』創刊以前から育成年代を中心とした取材活動を行ってきた。現在はフリーランスの編集者兼ライターとして活動し、各種媒体に寄稿。著書『Jの新人』(東邦出版)

●【特設】第47回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

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