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万雷の拍手で迎えられた新潟FW田中達也「嬉しいけど今日はアルビの一員」

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[8.31 J1第24節 浦和1-0新潟 埼玉]

 浦和レッズサポーターの盛大なブーイングに包まれる、埼スタでのアウェーチームのスタメン発表。しかし、アルビレックス新潟の背番号「9」の名前がコールされると、拍手でスタジアムが包まれた。「FW田中達也」。昨季、11年在籍した浦和を離れた田中達が如何にサポーターに愛されていたのかを象徴する一コマだった。「(拍手は)嬉しいですけど、今日はアルビの一員として勝ち点3を取って帰りたかった。非常に残念です」。田中達は浦和サポーターに感謝をしつつも、白星を飾れなかったことに肩を落とした。

 01年に帝京高から鳴り物入りで浦和に入団し、同年にJ初ゴールも記録。04年にアテネ五輪代表、05年には日本代表まで登りつめた田中達だったが、度重なるケガに悩まされた。昨季はついに7試合の出場に留まり戦力外に。活躍の場を移した新潟では、第24節終了時で22試合に出場しており、新潟に欠かせない選手となっている。“敵”として初めて臨んだ埼スタでは、前半8分に強烈なミドルシュートを放つなど積極的な姿勢を見せていたが、同40分に交代を命じられた。

「足元で止めて、引っ掛けられて、機能していなかった。前節はキレもあったし非常に良かった。今日はそのキレもなかった」。スコアレスながら前半途中で交代させるという“レアな采配”を、柳下正明監督はそう説明した。田中達自身も「つなぎの部分でチームの役割を果たせなかった。だから交代したんだと思います」と古巣との40分を言葉少なに振り返り、埼スタを後にした。

「前半で交代したのは残念。お互い切磋琢磨してやっていきたい」。昨季の1年間、田中達と一緒にプレーをしたDF槙野智章は、新天地でプレーする“偉大なる先輩”にエールを送っていた。

(取材・文 奥山典幸)

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