[5.7 AFCフットサル選手権2014準々決勝 日本代表3-2タイ代表 ホーチミン]

　今大会、ここまでの日本代表におけるMVPを選ぶとき、FP小曽戸允哉の名前を挙げる人は少なくないだろう。初戦の韓国戦でハットトリックを達成すると、グループステージ第3戦のキルギス戦でも2ゴールをマーク。準々決勝のタイ戦でも1得点を挙げて、チームの3-2の勝利に貢献した。

　このゴールラッシュについては「これだけ点が取れているのはビックリしているところです」と、自分でも驚いているという小曽戸。「調子が良いか悪いかはみなさんに判断していただくとして、こうやって点を取れているので、次も取れるようにやっていきたいと思います」と、残り2試合でもゴールを狙っていく。

　世代交代をしている日本代表の中で、2度のW杯にも出場している小曽戸には、中心選手としてチームを引っ張っていく活躍が期待された。その役回りを見事にこなしている。チームのカギを握る存在だが、「あまり自分では意識していませんが、チームの力になれたらいいなと思って、全力でやっています」と、淡々と話す。

　タイ戦では、2点のリードを追い付かれ、その後も相手に押し込まれる苦しい時間帯もあった。この時間帯を凌ぎ、自分たちのリズムを取り戻せたことに、小曽戸は手応えがあるようだ。「落ち着いてもう一回自分たちがやるべきことをしっかりやろうということで。相手はカウンターを狙っていたので、しっかり自分たちでリズムをつかんでボールを運びながら、ゴールを狙っていこうと言っていました。あの後は、そういったふうに、もう一回前半のような戦い方がしっかりできて、最後は(森岡)薫くんが決めることができたので。自分たちのプレーを見失わずにやれば、ああやってチャンスはできるのかなと思いました」。

　8日のクウェート戦でも、どれだけ自分たちのリズムで戦えるかがカギだと話す。「前回やった時は、ずっとパワープレーをやっていたという話を聞いたりしているので。相手がどうやってくるかはわかりませんが、自分たちは自分たちの力を出すだけです。しっかり良い準備をしたいです」と、連戦に向けて静かに闘志を燃やした。

(取材・文　河合拓)