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ザックが語る敗因…「最初の試合でミスをすると修正は難しい」

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 1分2敗でグループリーグ敗退が決まったコロンビア戦(1-4)から一夜明けた25日(日本時間26日未明)、日本代表アルベルト・ザッケローニ監督がベースキャンプ地のイトゥで記者会見を行い、日本代表監督を退任する意向を明らかにした。

「W杯に臨むにあたって、私をはじめ、だれ一人欠けることなく全員が、良い結果が出せると信じていたし、確信めいた自信を持っていた」

 最高の準備をしたつもりだった。結果を出せるだけの選手もそろっている。しかし、現実は1分2敗のグループ最下位。敗因は何だったのか――。

 指揮官は「1試合目のところで、ゲームの入り、アプローチで思ったような試合ができなかった。そこから修正するのに時間がかかってしまったというのが現実なのかなと思う」と、要因の一つとしてコートジボワール戦の敗戦を挙げた。

「初戦から3戦目までが10日間に凝縮されている短期間の大会で、スタートでつまずいたことで、その10日間に関しては、思うような戦いができなかった」。初戦の入り方。フィジカル面には問題がなく、メンタル面でのアプローチに失敗したというのが、ザッケローニ監督の分析だ。

「ゲームへのアプローチに関しては、一監督として調整するのが一番難しいところ。ピッチの上では見えないもので、人の心というのは一つの要素に左右されるのではなく、多すぎるほどの要素に左右される。一監督として、そこに入り込んで、バランスを取ってあげることができない部分はどうしても出てくる」

 選手がプレッシャーや重圧を感じ過ぎていたのか。気負い過ぎだったのか。対戦相手を過度に警戒し過ぎたのか。さまざまな要素が絡み合って、普段の力を発揮できなかった。「W杯というのは、(シーズンで)38試合あるリーグ戦ではなく、たくさんの試合がある予選とも違う。短期決戦ということで、最初の試合でミスをすると、修正するのは難しい」。初戦の重要性は大会前から分かっていた。だからこそ、そのことが逆に心理的なプレッシャーとなり、選手の動きを硬くしてしまった。

「自分たちの普段のプレーを、(W杯本番という)このタイミングで意図的に出せるようにならないといけない。ここ(W杯)で、思うとおりに自分たちのプレーを出す方法を探していかないといけない」。試合の入りだけでなく、試合中の対応力についても「ゲームの中で起こり得る、自分たちの不利に働くようなエピソード、出来事、ジャッジが、自分たちの戦いを左右するのではなく、それに左右されずに継続してプレーを出していかないといけない」と、今後の日本サッカーの課題として挙げた。

 本当の意味でのメンタルの強さ。それは簡単に植えつけられるものではない。ザッケローニ監督は、自身が果たせなかった夢を次期監督に託すように言った。

「このチームは自分たちのアイデンティティーを持っている。それを持ち続けないといけない。世界の格上とされるチームに対しても、勇気を持って戦いを仕掛けていく道を継続しないといけない。ただ、それが2日でできるようになるわけではない。それ相応の時間をかけて、やっていかないといけない。継続していくことで、世界とのギャップを埋められると信じている。これまでやってきたことを信じて、継続してやっていくことが大事だと思う」

(取材・文 西山紘平)

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