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試合直前に兄が死去…勇退のヒッツフェルト監督はラストゲームに「誇り」

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[7.1 ブラジルW杯決勝トーナメント1回戦 アルゼンチン1-0(延長)スイス サンパウロ]

 胸を張って大会を去る。今大会を最後に第一線から退くことを表明していたスイス代表オットマール・ヒッツフェルト監督は延長戦の末、アルゼンチンに惜敗した試合後、「当然、今日の試合に関しては誇りに思っている。チームは情熱あふれるパフォーマンスを見せ、戦術的にも成熟したプレーを見せた」と、選手をねぎらった。

「前半、2回の決定機があった。後半はアルゼンチンに押し込まれたが、冷静さを失うことはなかった。(延長戦の)ラスト3分で失点したが、そのショックのあとにも、我々の選手は信じられないリアクションを見せた。そのことを誇りに思っている」

 PK戦突入かと思われた延長後半13分の失点。それでもスイスの選手たちは最後まで試合をあきらめなかった。延長後半15分のセットプレーのチャンスにはGKディエゴ・ベナリオも相手ゴール前まで上がり、MFブレリム・ジェマイリのヘディングシュートがポストを直撃する場面をつくった。

 負けられない理由があった。スイスサッカー協会は試合開始の数時間前にヒッツフェルト監督の兄が亡くなったことを明らかにしていた。試合後に行われた監督会見では広報担当者が事前に「プライベートな質問は遠慮してほしい。監督はサッカーについてのみ話をする」と報道陣に通達。試合で選手が喪章を付けることもなく、肉親の死という悲しみとピッチ上の戦いを切り離した指揮官は最後まで気丈にチームを指揮した。そして、自身のキャリアが終わりを迎えたことをあらためて認めた。

「これからはドイツのテレビ局の仕事をする。試合には行くが、ジャーナリストとしての仕事だ。監督業はここで終わったんだ。これからは静かな人生が待っている」

 ドルトムント、バイエルンで欧州CL優勝を成し遂げた65歳の名将。31年にわたる監督人生に悔いはない。「自分のキャリアに誇りを持っている。幸運にも、素晴らしいチームに恵まれてきた。スイス代表の監督を務めることは大きな名誉だった。すべての瞬間が私の思い出に残っている」。感慨深げに目を閉じ、最後の会見を終えた。

(取材・文 西山紘平)

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