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スーパーヒールリフト弾でFP室田が12月の代表入りを勝ち取る! ミゲル監督「呼ばざるを得ない」

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 日本サッカー協会は30日、フットサル日本代表が12月に行う親善試合の対戦相手が、クロアチア代表に決まったことを発表した。フットサル日本代表が国内で親善試合を行うのは、今年5月にアジア選手権連覇を決めてから初めてのこと。発表会見に臨んだミゲル・ロドリゴ監督は、この親善試合について「アジア選手権優勝のお祝いのような位置づけで、フットサルを盛り上げる楽しめるものになればと思います」。「ほぼほぼアジア選手権のメンバーに近い、同様のものになる」と言い、アジア選手権で連覇を飾ったメンバーを中心に招集することを明かした。

 親善試合が12月ということもあり、今回は具体的な招集メンバーの発表はなかった。ただ、一人だけメンバー入りの確約をした選手がいる。アジア選手権に出場していなかったFP室田祐希(エスポラーダ北海道)だ。

「一人だけ公言できるのは、ヒールリフトでゴールを決めた室田祐希。あれだけ動画で200万人以上の人に見られていたら、彼は呼ばざるを得ない」と、ミゲル監督は言う。室田は、先日行われたコンチネンタル杯2014のグアテマラ戦で、ヒールリフトでゴレイロの頭上を抜く鮮やかすぎる代表初ゴールを記録。動画サイトに投稿されたこのゴールシーンの動画は、全世界で170万回以上再生されており、ミゲル監督の母国スペインでも、最も人気のあるスポーツニュースのトップで、このゴールが紹介されたという。

室田のゴールはコチラ

 室田のスーパーゴールを生で見た感想を問われたミゲル監督は「あまり心は動かなかったです。逆に何をしでかしてくれたんだと、怒るかどうか考えました」と真顔で言った後、一気に表情を崩し、「ウソウソウソ、ジョウダン、ジョウダン」と日本語で笑顔を見せた。

 指揮官の本心は、こちらだ。「ああいう決断力のあるプレー、思い切りのあるプレーをのびのびするように、自分の力を出すように背中を押しながら指導してきました。それをやってのけてくれたことに、大いに称賛したいと思います。ただ、試合中だったので、そのときに『すごいじゃないか!』とやらなかったのは、事実です。すぐ、その後のプレーで交代させたくらいです。試合後は、『すごかったね』と伝えました」と言い、「世界的なスター選手であるファルカンやFリーグにもいたリカルジーニョが、得意としていたようなプレーです。ああいう選手たちのプレーを間近に感じる人たちが出てくれば、ああいうプレーをする日本人選手も出てくるんじゃないかと思っていました。冷静になって考えたら、『生まれるべきして、生まれたゴール』という感覚もあります」と、日本人選手の技術が上がっていることを示唆した。

 見事なゴールの直後に交代を命じたのも、室田を守るためだったのだろう。グアテマラからすれば、屈辱的なゴールだ。実際、この得点が決まってから、グアテマラは目の色を変えて、激しいプレーを見せて来たという。「あのゴールの後、だいぶ厳しいゲームになりましたが、そういう意味でも、非常に面白い分岐点となるゴールだったと思います」と、スペイン人監督は、室田の代表初ゴールを振り返った。

 駒沢や神戸でも、日本代表の素晴らしいゴールに期待がかかる。ミゲル監督も「まずは勝ちたい。そういうプレーが出なくても、良いゲームをして勝ちたい」と言いつつも、「ああいうプレーを見せるか、勝つことか。どちらかを選べと言われたら、私がイタリア人のメンタリティを持っていたら、間違いなく勝つことを選ぶでしょう。ただ、私はスペイン人ですので、ちょっと悩ましいです」と、フットサル日本代表に華麗なゴールを期待する一面も見せた。

(取材・文 河合拓)

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