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[MOM1193]流通経済大柏FW高沢優也(3年)_悩み振り払ったストライカーが鮮烈同点弾

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.2 全国高校選手権千葉県予選準々決勝 柏日体高 1-2 流通経済大柏高 東総運動場]

 悩んできたエースストライカーがチームを救った。0-1の後半24分、流通経済大柏高はCB廣瀧直矢が中央のFKからPAへボールを入れると、そのクリアボールに左サイドから走りこんだFW高沢優也(3年)が左足ダイレクトでのハーフボレー。「感覚で打ったので。入るとは思っていなかったです」という一撃は鋭い弧を描いてゴール右隅へ突き刺さった。

 180cmの長身とテクニックを兼備する高沢は、プレミアリーグで日本一となった昨年のチームでも出場機会を掴み、ゴールも決めていたタレント。新チームではエースとして期待され、前線の軸としてチームを引っ張ってきた。ただ「反発しちゃって態度に出ることが多くて・・・監督とかに怒られることが多くて」という高沢はコーチングスタッフの指摘に対して自分の意見を曲げず、不貞腐れてしまうことが多かったという。チームの結果が出ない中、自身もコンディションを落とし、Aチームにこそいるものの最近はサブ組。一時は大学でサッカーを続けることを辞めようと思ったことがある。

 そこで支えてくれたのは仲間だった。「『もったいない』と言う人がチームメートでたくさんいて。言ってもらえたときは嬉しかったですね。Bでやってコンディション上がってくるうちに、サッカーが楽しくなってきて、やっぱりサッカーしかないって」。途中出場が続いていたが、与えられた出番の中で結果を出すつもりでいた。そしてこの日、後半4分の投入からフルスロットルで走り回り、「きょう自分が決めるんだと試合前から思っていたので、同点ゴールですけどチームはいい雰囲気に流れたので良かったと思います」という同点ゴール。柏日体はこのスーパーゴールによって流れが変わったことを認め、流経大柏の本田裕一郎監督も「(悩んでいたと思う)きょうは高沢に聞いてあげてよ」とマン・オブ・ザ・マッチに推していた。

 この日の勝利について「嬉しいですね。一言で言うと嬉しいです」と語った高沢だが、目標はあくまで全国。「まだ始まったばかりなので。次はインハイで負けた習志野なので、リベンジと言う気持ちが強いですね。(今大会はチームのために)得点を量産したい」。悩みを振り払い、結果も残した注目ストライカーが選手権でゴールを量産する。

(取材・文 吉田太郎)
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